未完了の作業を一件一ファイルの台帳にする
2026-10-08
AIエージェントが会話をまたいで作業していると、「何がまだ終わっていないか」をどこに置くかが問題になる
会話が終わると文脈は消える
作業ログの末尾に「残件」と書いても、それは書いた時点の記録で、今の状態ではない
後から読んだAIが古い残件を「今も未決」と読み違える
そこで、未完了の作業だけを一件一ファイルにしたフォルダ next.d/ を作った
2026-09-11 に作業ログ log.d/ と同時に作った
まずそもそも論として「LLM Wikiのlog.mdはみんなが1つのファイルを書きにきてコンフリクト起きがちだけど、目的は追記なんだからファイルを分けたらいいよね」という発想で、ログを1枚のファイルではなくフォルダの中の1件1ファイルにした。前から
Ergonシステムで使っていた
自宅マシンに包括的LLM Wikiを作って運用し始めてしばらく経ったところで、複数の開発プロジェクトが同居していることで「次に何をするんだっけ」の管理の必要性を感じ、「log.dみたいにnext.dを作ればいいんじゃないか」と思ってやってみた
一件一ファイルにすると、複数のエージェントが同時に書いても無関係な項目同士はぶつからない
一件に書くこと
5つの欄
目的:何を達成するための残件か
現状と根拠:日付つきの観測と、その出典。未確認の範囲も書く
待ち条件:何が揃えば動けるか(人の確認、指示、情報)
次の操作:再開したら最初にやる具体的な一手
完了条件:何をどの証拠で確かめたら閉じてよいか
待ちの種類を1語で付ける
human(人の観測や回答を待つ)/instruction(着手や範囲の指示を待つ)/agent(書いた条件でAIが進められる)
これは担当者や実行許可ではない。agent と書いてあっても、今このAIが着手してよいとは限らない
閉じるときは closed/ に移し、日付・理由・証拠を書く
完了と打ち切りを区別する
例:「方針変更で別の評価に統合。元の課題の検証が完了したわけではない」
これ全然人間が設計してない、この解説を見て初めて知ったw

情報を寿命で分ける
経緯と知識 → wiki(根拠に合わせて書き直す)
起きた出来事 → log.d(一件ずつ足す。訂正も新しい記録として足す)
未完了と待ち条件 → next.d(今の状態に書き換え、理由を付けて閉じる)
今の資源量や応答 → 必要なときに測り直す
次にやることの一覧表は next.d から毎回生成する。一覧ファイルを別に持つと正本が2つになる
運用の実績(2026-10-08 時点)
期間は約4週間。書式を固めて検査ツールを入れたのは 09-26 なので、その形ではまだ2週間に満たない
開いている項目 97件、閉じた項目 55件
開いている項目は 62件(09-26) → 80件(09-29) → 97件(10-08) と増え続けている
効いたこと
閉じ忘れが見つかった
「未配布」として残っていた項目が、実際には配布済みだった
調べ直さずに再開できた
次の操作と完了条件が書いてあったので、前回の調査をやり直さずに作業を始められた
なぜ止まっているのか、なぜ閉じたのかが文章で残る
ここがいちばんはっきり効いている
わからないこと
次の作業を選ぶのが速くなったかは測っていない
長い目で見た閉じ忘れや重複の割合も測っていない
欄が埋まっていることは、内容が正しいことの証明ではない
気になる兆候
開く速さに閉じる速さが追いついていない
たかだか97件溜まっていることは深刻ではない

急いでやる必要があるタスクは即座に着手しているので、このリストは基本的には「確かにやった方がいいけど今やらなくていいな」と人間が判断したもの
止まった理由をきちんと書けることが、止まる口実にもなる
例:横断監査で本当の食い違いを14件見つけたのに、「別の機械のセッションを待つ」と台帳に書いて手が止まった
次に測るなら、週ごとに開いた件数と閉じた件数、それに開いている項目の古さの分布
向いている場面
ファイル中心の作業で、会話をまたいで根拠と状態を引き継ぎたいとき
すでに Issue tracker で通知・担当・権限が回っているなら、二重管理になる理由を先に考えるべき