NISHIO Hirokazu[Translate]
絡まれてると感じてない
先日「Xで厄介な人に絡まれてましたね」と言われて、何のことかわからず「え?絡まれてた?」と思った

しばらくしてからあのやり取りのことかなと思い当たった
がしかし「絡まれてた」という感じがしない
そもそも「絡まれ」とは何か?

例えば道を歩いていたら、酔っぱらって千鳥足のおじさんがいたとする
ぶつかりたくないからよけて歩く
これをおじさんが認識して「なんやこら!」と言ってきたとすると、これは「絡まれた」感がある
でもこれで終わったら「絡まれた」であって「絡まれてた」ではない感じ
即座に終了するイベントなので「絡まれている」状態がない
「なんやこら!」と言ってきたおじさんから逃げようとしたら意外とおじさんが機敏に動いて、服を掴まれてしまったとする
これは「絡まれている」感じがある
「絡まれている」のは嫌だからなんとか脱出しようとする、掴んでる手を離させたりとか

こう整理するとSNS上で知らん人から話しかけられた場合、それがどんなに不快だったとしても「絡まれている」にはならない
即座にblock or muteすればいいだけなので
第三者から「Xで厄介な人に絡まれてる」と見えている出来事は「Xで特殊な人とコミュニケーションしている」だと思う
僕の側にコミュニケーションを継続するインセンティブがあってリプライしている
そして先方にもインセンティブがあるから対話が継続している
今回のケースに関しては、「自分の違う考え」の人Aが向こうからやってきてくれたので「Aさんは何が問題だと思っているのか」を2回掘り下げて質問して、特に面白いものは出てこなかったのでそこまでにでできたAさんの暗黙の仮定2つに対して「これは思い込み」と指摘した感じ
なんか自分の見落としていることとかが発見されると得だから、というインセンティブ
先方のインセンティブは現状「自分とnishoは意見が対立している」なので「自分が正しい」と立証することだと思う
なので僕が質問してる間は「自分が正しいと教える役」だから話してくれるし、僕が掘っても価値がないなと思って明確に「この前提が思い込みですね」と言ったら、反論の立証手段がなくて黙った

"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

(C)NISHIO Hirokazu / Converted from [Scrapbox] at [Edit]