良いアイデアは複数の問題を一度に解決する
どういう意味か(解説)
この言葉のポイントは、「アイデア」を “対症療法の工夫” と区別しているところです。
対症療法:問題Aが出た→Aだけを潰す。次に問題Bが出た→Bだけを潰す。
(結果として、仕組みが継ぎはぎになりやすい)
アイデア:
問題AもBもCも、よく見ると“同じ根っこ”から出ている→
根っこ(構造)に効く一手を入れて、複数の問題がまとめて消える。
例(任天堂の文脈で)
任天堂のインタビューでは、まさにこの考え方を「ゲームの仕様」に当てています。
たとえば「マリオがジャンプできるようになったこと」は、単に操作が増えただけではなく、複数の課題(遊びのわかりやすさ・地形の設計・見た目の納得感など)を同時に解いていった、という文脈で語られています(“jump によって複数の問題を同時に解けた”趣旨)。(
Nintendo Co., Ltd.)
また別の「社長が訊く」では、ある新要素(例:初心者への救済、遊びの説明のしやすさ等)を入れることで、複数の課題が一気に片付く、という流れの中で、宮本さんの「アイデア=複数問題を一手で解く」定義が脚注として引かれています。(
Nintendo Co., Ltd.)
もう一歩踏み込むと
(“言語化されて流通することで、本人の思考も整理される”という現象が起きている)
実務に落とすコツ(この言葉を使える形にする)
この言葉を「格言」で終わらせずに使うなら、発想順序をこうするとハマりやすいです。
1. 問題を列挙する(A/B/C…)
2. それぞれに「なぜ?」を数回当てて、共通原因を探す
3. 共通原因に効く “一個の変更” を考える
4. その変更が、A/B/Cをどれくらい同時に軽くするかを見る
同時に軽くなるほど「アイデア」っぽい
1個だけ軽くなって他が重くなるなら「パッチ」っぽい
言い換えると、「複数の問題を“同じ束”として見えるようにする」のがアイデアの前半、「その束をほどく“最小の一手”を見つける」のが後半、という感じです。