詳細が消えてプラスに固定される

ある単語Xが表現するものがすべて善/有益であるかのように無意識に前提しがちだが、よく考えると悪/有害なこともあるよな、という事例をリストアップしたい
これはだいたい 「価値語が名詞化・抽象化されたときに、符号が+に固定される錯覚」のパターンだと思います。
まずは叩き台として、無意識に「善」扱いされやすいが、普通に害を持ちうる語を並べます。
社会・政治系
民主主義→ ポピュリズム、衆愚政治、少数者の権利侵害、決定遅延
自由→ 強者の自由による弱者の不自由、外部不経済の放置
平等→ 機会や背景差を無視した形式的平等による不公平
透明性→ 魔女狩り、萎縮効果、私的領域の破壊
合意→ 異論の抑圧、沈黙の強制、同調圧力
参加→ 無責任な口出し、ノイズ増大、決定コストの増加
多様性→ 調整不能、価値衝突の放置、形骸化した数合わせ
組織・仕事・経営
効率化→ レジリエンス低下、バッファ消失、ブラック化
最適化→ 局所最適・目的関数のハック
成果主義→ 短期主義、測れない価値の切り捨て
イノベーション→ 破壊の外部化、現場疲弊、実験の強制
スケール→ 文脈消失、統治不能、責任の希薄化
思考・知・教育
合理性→ 価値前提の隠蔽、感情・身体知の切り捨て
客観性→ 視点の不可視化、権力の中立化
データ→ 取りやすいもの偏重、測定不能なものの排除
知識→ 行為麻痺、権威主義、適用不能な一般論
批判的思考→ 冷笑主義、建設不能な否定
心理・倫理・ライフハック
自己責任→ 構造問題の不可視化、被害者非難
成長→ 過剰適応、燃え尽き、停滞の否定
ポジティブ→ 問題の抑圧、感情の検閲
共感→ 情緒的操作、当事者搾取、判断停止
優しさ→ 境界侵犯、問題の先送り
技術・AI文脈
自動化→ ブラックボックス化、責任不在
支援→ 依存、能力の退化
中立→ 現状追認、価値判断の放棄
最先端→ 検証不足、過剰期待
オープン→ 悪用容易性、負担の偏在
メタなまとめ(構図)
多くはこの形をしています:
X = 常に善
Xが「何を」「誰に」「どの条件で」作用するかが消える
実装・運用・文脈の問題が語れなくなる
次のステップ案:
①「Xが善として固定されるメカニズム」を抽象化する
② X / 利点 / 典型的な害 / 見落とされがちな条件 の4列テーブル化
③ 「善悪二分法に落ちない言い換え集」を作る(例:民主主義 → 意思決定手続きの一群)
どの方向に伸ばします?