NISHIO Hirokazu[Translate]
賢い人の子は賢くないが保護される
賢い人Xの子供Yは高確率でXほど賢くない
特にXが十分に教育を受けてる場合はそう
教育による差が出にくいから

しかしほとんどの人Xは子供Yを自分の延長だと感じる
生物学的なもの
そのため賢さを子供の「保護」に使う

この原理によって
賢いXが会社を創業する
価値の生み出されるシステムを設計する
会社の二代目Yがイマイチ
だがXは自分の死後もYの生涯にわたって保護したいと感じる
この結果Xはシステム設計能力を「無能なYが利益を得られる構図」の設計に使ってしまう

賢い人によってなぜか長期的に存続するevilな仕組みが作られてしまう
なぜそんなevilなものを作ったのか?となる
これは世の中の大部分の「他人」にとってevilなだけであって、愚かな子の損得を計算すると得だったりする
評価関数に子の利益を含めて最適化すると、大部分の人は「子」ではないので、ゼロサムな分配においてマイナスになる、だからevilに見える
愚かな子Y単体ではそんな大きな構図を設計できない、親Xがとても賢いことによって問題が大きくなっている

Xの創業した会社が利益を上げてその利益をYが吸い取るのならまだ健全
私企業が利益をどう分配するかという意思決定だから
その意思決定が悪ければ長期的には会社がつぶれる

"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

(C)NISHIO Hirokazu / Converted from [Scrapbox] at [Edit]