量子コンピュータビジネス

この記事は、2019年にGoogleが量子超越性を実証したと発表した論文に関する研究者たちの反応をまとめたものです。主なポイントは以下の通りです:
Googleは53量子ビットの
量子コンピュータ「
Sycamore」が、スーパーコンピュータでは1万年かかる計算を200秒で実行したと主張したが、その後中国の研究チームがスーパーコンピュータでも304秒でできることを示した。
量子コンピュータベンチャーの経営者が「量子コンピュータで何の役に立つのか分からない」「ここ数年で実用化という甘い風潮は崩された」などと述べた。
これに対し研究者からは「この程度のことは分かっていた。10年以上の長期戦になることは常に言われてきた」「
ハイプに踊らされていただけ」といった反応が出ている。
量子コンピュータ実現には長い時間がかかるが、着実に進歩はしているので、落ち着いて研究を進めるべきだという意見が大勢。

記事の著者であるベンチャー経営者の主張に対し、量子コンピュータ専門家から以下のような誇張や誤解が指摘されています。
ハーバード大学チームの成果を「
FTQCの実現」と誤読している。実際には誤り検出は行っているが訂正は行っておらず、一部のゲート操作しか実装されていない。
2030年のMSの目標達成と、2023年の誤り訂正実現を混同している。
この成果は量子コンピュータ開発の代表格である研究者によるものなので、「既存の開発者とは違う」というのは論理的におかしい。
中性原子方式が「他と全然違う」「FTQCに有利」とされているが、それは誇張で、有力な方式の一角に過ぎない。
成果のキーワードを並べることで「FTQCを実現した」という誤解を与えるような見せ方をしている。
少しの進展を「画期的」「リセット」といった言葉で表現することで、量子コンピュータを過大評価している。