韓国におけるデジタル格差への対応
デジタル格差への対応と包摂:
韓国は国民のインターネット利用率が高い一方で、世代間のデジタル格差が問題となっています。高齢者は若年層に比べてデジタル機器やサービスの利用率が低く、日常生活で不便や疎外感を感じるケースがあります。特に近年、飲食店の注文や公共料金支払いなどが無人キオスク端末に置き換わり、高齢者が戸惑う事例が社会問題化しました。このため政府や自治体は、高齢者に優しいUIを備えた端末の開発補助や、デジタル教育プログラムの提供に取り組んでいます
韓国国家人権委員会も2024年に「高齢者のデジタル接近機会を保障すべき」と勧告を出し、誰もが情報にアクセスできる権利の観点から支援を求めました
具体策として、シニア向けに文字サイズを大きくしたスマートフォンや音声案内付きATMの普及、地域の公共施設でのスマホ講習会開催などが進められています。また障がい者や低所得層に対してもデジタル機器購入補助や通信費支援が行われ、デジタル社会から取り残される人々をなくす努力が続けられています。韓国政府はデジタル時代の包容国家を標榜し、デジタル格差是正と社会的包摂(インクルージョン)を重要な政策目標に据えています。