スーパーモジュラー生産、意外と書いてなかった
ざっくり言うと、
「生産に使う入力どうしが“補完関係(相性がいい)”になっているとき、その生産関数はスーパーモジュラーだ」
という話です。
もう少し形式的に(生産関数の場合) 生産関数 (f(x_1,\dots,x_n)) が十分なめらかだとします。このとき [ \frac{\partial^2 f}{\partial x_i \partial x_j} \ge 0 \quad (i \neq j) ] がすべての組み合わせで成り立つとき、 (f) は スーパーモジュラーな生産関数 と呼ばれます。(ウィキペディア) これは「投入要素 (x_j) を多く使っているほど、(x_i) を少し増やしたときの増産効果が大きくなる」=増分が増えていく(increasing differences) という意味です。
経済学的に何がうれしいのか スーパーモジュラー生産関数だと、いろいろきれいな性質が出ます:
要素需要の補完性 生産関数がスーパーモジュラーだと、ある要素の価格が下がったときに その要素だけでなく「他の要素の需要も一緒に増える」ことが示せます。 (生産要素どうしが補完財になる)。(IDEAS/RePEc)
ポジティブ・アソーティブ・マッチング マッチングモデル(たとえば高技能労働者と高性能機械、高学歴同士の結婚など)で、 生産(あるいは効用)関数がスーパーモジュラーだと 「能力の高いもの同士が組む方が効率的」=正の相関マッチングが最適、 という結果が得られます(Becker型の結果)。(Leland D. Crane)
比較静学(コンパラティブ・スタティックス)が単調になる 価格や技術などのパラメータを動かしたとき、最適解が「単調に動く」ことが保証しやすくなります (Topkis, Milgrom & Roberts などの比較静学の理論)。(IDEAS/RePEc)
ごく簡単なイメージ例
もし「マッチング理論(Becker)との関係」や「サブモジュラー生産との違い」も知りたければ、そこも掘り下げて説明します。