NISHIO Hirokazu[Translate]
アシモフの「まぬけの餌」
GPT5
アシモフの中編 「まぬけの餌」(原題 “Sucker Bait”, 1954年)
日本語では短編集 『火星人の方法』に収録されています。
謎の病気で植民者が全滅した惑星を、医学・化学・地質学など各分野の専門家が調査します。しかし各人が自分の専門領域だけを見ているため、個別には異常と判断されない事実を結びつけられません。
それを解決するのが、特定分野の専門家ではなく、大量の雑多な知識を記憶するために訓練された青年 マーク・アナンシオです。彼が各専門家から断片的なデータを集め、最終的に一行を襲った症状がベリリウム中毒であると突き止めます。作品の中心は「専門知識が不足していた」のではなく、専門分化によって知識間の接続役が失われていたという問題です。
アシモフの「プロフェッション」とかなり近い対になっています。
「プロフェッション」:既成技能を効率よく習得した人々が、自力で新しい技能を作れない。
「まぬけの餌」:高度な専門家が揃っていても、分野を横断して事実を結びつけられない。
どちらも、制度から見れば価値の低そうな「自分で考える人」「広く知る人」が、知識生産には不可欠だという話です。

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