中国が台湾を自分の一部と考える理由
「中国(
PRC)から見て台湾が“自分たちのもの”」という主張の“正当性”は、
(1) 中国国内の歴史観・法体系の中での正当化と、
(2) 国際法・国際政治の場で通用する正当性
を分けると整理しやすいです。
1) 中国側が「正当」と考えるロジック(国内向けの正当化)
歴史・戦後処理の物語:カイロ宣言・ポツダム宣言などを根拠に「日本が奪った台湾は中国へ戻るべきだった(戻った)」という説明を前面に出します。(
中国驻伊朗大使馆)
国内法での位置づけ:2005年の「
反分裂国家法」は、台湾の「分裂」に反対し、一定の場合に「
非平和的手段」を取り得るという構造で、国内的には“法的根拠”の体裁を整えています。(
欧州議会)
要するに、「歴史的に中国に属してきた」「戦後秩序がそれを確認した」「だから統一は国内問題」という三段論法が、中国側の正当化ストーリーです。
2) ただし国際法・国際政治では“所有権”としては争いが大きい
武力で現状変更しない原則:国連憲章は武力の威嚇・行使を禁じ、紛争は平和的手段で解決すべきとします。仮に主張があっても、力で「所有」を実現することは正当化されにくいです。(
国連)
対日平和条約(
サンフランシスコ平和条約)の書き方:日本が台湾(Formosa)と澎湖について「権利・権原・請求権を放棄」したことは明記されていますが、“誰に帰属させるか”を条文で明示していない点が、法的議論の火種になってきました。(
国際連合条約集)
主要国の立場の典型(米国):米国は「one China policy」で中国側の立場を“acknowledge(認識)”するが、台湾の主権について自国の立場を確定させない、という説明が繰り返されています。(
Congress.gov)
実効支配(現実):PRCは台湾を「自国領」と主張しますが、PRCが台湾を統治したことはないという点は、米議会調査局(CRS)等でも明確に述べられています。(
Congress.gov) また台湾は政府・軍・通貨・旅券などを持ち、事実上独自に統治されています。(
Reuters)
まとめ:どこまでが“正当性”か
中国国内の物語・国内法の中では「自分たちのもの」と考えるロジックは組み立てられている。(
中華人民共和国国務院)
国際法上の“所有権が確定している”という意味では争いが大きく、少なくとも「武力で統一」は国連憲章の原則と強く緊張します。(
国連)
戦後文書の解釈(カイロ・ポツダム等)も、中国は根拠にし、米側などは「政治的地位を確定していない」と反論する、という対立構図が続いています。(
Reuters)
(最近の動きも絡めて知りたい場合の参考記事)