NISHIO Hirokazu[Translate]
既に走っている物語を深化させる
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組織は “継続しているストーリー” に乗る提案を受け入れやすい。
新規性よりも〈既に走っている物語を深化させる〉筋書きが共感コストを下げる。

一度承認された枠組みは、内部規範・手続きを巻き直さずに済むため惰性が働く。
提案をその惰性に沿わせれば、審査の摩擦が減る。

予算・人材・ブランドなどの既存リソースを「再命名」して提示すると、追加投入ではなく再配置として認識される。
結果として意思決定は速くなる。

評価メトリクスの同一化
既存プロジェクトの指標と同じ軸で成果を語れば、新しい評価枠を設けずに済み、判断プロセスが短縮される。

リスク認知の埋没
“新規”はリスク検証を誘発するが、“延長”は既存リスクの範囲内と見なされやすい。よって追加判断のハードルが下がる。

要旨
既存構造に“付加”ではなく“連続”を演出することで、組織の慣性を味方に付け、説明コスト・説得コストを最小化できる。

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