至るところ
雑に「至るところ」というと誤解を招きそうだ

任意の点が無理数であるという条件を満たすわけではないが、
確率1で無理数である、的な話
「任意の点が無理数である」というのは、「すべての点がその性質を満たす」という意味になるので、実際には間違いです。実際には、有界区間内などで「無理数である点の集合」が
測度1を占める(すなわち有界区間内における有理数の測度は0)ために、「ほとんどすべての点(測度的意味で)が無理数である」と言いたいわけですね。数学的には「ほとんど至るところ(almost everywhere)無理数である」や「測度1で無理数である」と表現するのが適切です。
一方、「至るところ( everywhere)無理数である」というと文字通り「すべての点が無理数である」と解釈されるため、「任意の点が(無理数であるという)条件を満たすわけではないが、確率1(測度1)で満たす」という状況には合いません。「ほとんど至るところで( measure-theoretically almost everywhere )」というフレーズなら、「例外的な集合(測度0)を除いた全域にわたって」というニュアンスを正しく表せます。
稠密(dense)との関連を論じて
「稠密(dense)」というのはトポロジーの概念で、「どの点を取っても、その点のいかなる近傍にも条件を満たす点が含まれる」状態を指します。たとえば有理数全体は実数全体において稠密ですが、有理数の測度は0です。一方、「確率1」や「測度1」というのは測度論的な概念で、「集合が全体の測度(確率)のうち1を占める(例外集合の測度が0)」ことを指します。
したがって、
稠密性:近傍(任意の小さな開区間)に必ず要素が入るかどうか
測度1(確率1):集合が測度的にほとんどすべて(例外は測度0)を占めるかどうか
というように、稠密か否かと測度1か否かはまったく別の軸の概念です。
例: 有理数は「稠密」だが「測度0」
例: 無理数は「稠密」だが「測度1」
「至るところ(everywhere)」と言うと文字通り「すべての点そのものが条件を満たす」になりがちですが、「ほとんど至るところ(almost everywhere)」は測度0の例外を除いてほぼ全域で成り立つ、という意味になるので、稠密性ともまた違う概念です。トポロジー的な「近傍への入り込み(稠密)」と、測度論的な「例外集合の大小(測度1, 0)」は区別して考える必要があります。
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雑に「
至るところ最先端」みたいな言葉が浮かんでたんだけど、どの位置からでも十分近くに最先端領域があるってニュアンスでは「
最先端は稠密」というのが数学的には正しそうだ

細かすぎて伝わらない
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