NISHIO Hirokazu[Translate]
閉鎖されたオープンチャットの事例
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「マニフェスト改善部」として開いた LINE オープンチャットが、
人と話題が一気に流入 → 目的が揺れ → ルール整備 → なお収拾がつかず、
最後は運営判断で部屋ごと閉鎖された

1. チャット開設と“雪崩のような参加者”

5/20 夜 スタッフ数名が「チームみらい・マニフェスト改善」を名乗るオープンチャットを作成。
数時間で 40 人以上が参加し、GitHub の PR(1700 件超)をどう扱うかの雑談が始まる。

5/21 早朝まで 100 人規模に膨張。
「LINE はスレッドが弱い」「Discordに移ろう」「Google Sheetで管理を」などツール論が噴出し、タイムラインは実質“スクランブル交差点”状態に。


2. 目的のブレと“二つの陣営”
◎ 陣営A:とにかく PR を読んで仕分けしたい実務派
GitHub ラベル追加/AI 自動タグ付け/カテゴリ別サブチャンネル案 などを提案。
◎ 陣営B:まずはビジョン・メッセージを磨こう派
「AIよりも“わかりやすい物語”を」「米価・マイナ保険証・少子化などホットイシューを絞ろう」など選挙向けPR策に話が飛ぶ。
両者の論点が混在し、**「ここは交流目的?意思決定の場? ― そもそも何をする部屋?」**が定まらないままログが加速度的に伸びました。


3. ルール整備 ― スタッフの軌道修正
5/22 深夜
「ここは マニフェスト改善の雑談・交流用。実際の政策提案は idobata(アイデア投稿ツール)へ」と宣言。
5/24 夕方
①建設的投稿/②誹謗中傷禁止/③質問はフォームへ ― とガイドラインを明文化。
“わかりやすく伝える部屋”を別に新設。チャット名を正式に「マニフェスト改善部」へ変更。

4. 収拾がつかなかった理由
構造的問題
LINE オプチャはスレッド・検索が弱く、PR 仕分けの議事録用途に不向き。
人数上限 500 の箱に“GitHub / idobata / Twitter / 現場会議”の話題が同居。
コミュニケーション摩擦
「テクノロジーで解決」といった抽象語をめぐり、M × I両氏などが衝突。
投稿量が多く、合意形成前にログが流れ“言った/言わない”が頻発。
選挙スケジュールの圧迫
7 月参院選まで 2 か月弱。“理想論 vs 実務タスク”の優先度が揃わず。

5. クローズに至った経緯(推測含む)
5/26 以降、LINE 画面に「利用できないオープンチャット」表示。
ログ上では
ハラスメント気味の応酬(通報宣言など)が複数記録
連日 1,000 行規模の投稿が続く
このため運営の自主閉鎖 が発動。

6. まとめ ― 得られた教訓
“議論の場”と“実務の場”は分ける
Discord / GitHub Issue / Drive Sheet など役割別ツール選択
100 人超の雑談はガイドライン先行
“目的・投稿フォーマット・モデレーター権限”を最初に明文化
LINE オプチャはログ整理に不向き
掲示板型(Discourse 等)か Thread 特化チャネルを併設
nishio今回、いどばたシステムのバージョンアップに伴いDiscourseを外したのだけど、結果としてかつてDiscourseで行われていた議論がLINE OpenChatに流れ込んでしまい、Discourceに比べて議論に向かないツールなので混乱が起きたのだろう

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すれ違いが起きた主因o3
言葉の抽象度
Iさんは「テクノロジーで解決」のような包括的フレーズを前提共有語として使い、Mさんは「空疎なので具体を示してほしい」と要求。抽象と具体のレイヤーがずれたまま議論が進行。
チャット特有の空振り
LINEオープンチャットはログが高速に流れるため、補足・誤解訂正のタイミングを逸しやすい。周囲の “横レス” も入り、文脈が拡散。
ポジショントークの誤読
Iさんは「技術実装・実務面を急ぎたい」立場、Mさんは「訴求力やメッセージ設計を先に」と問題設定が異なる。互いに“論点ずらし”と受け取り反発が強まった。
感情のエスカレーション
要求の再掲 → 疑念の表明 → “理解していない”という言い方 —— の流れで防御的に。通報宣言で心理的安全性が切れた。

「理解していない」発言は誰?nishio

ログ上で “相手は理解していない” という趣旨を最もはっきり示したのは Iさん です。o3
5 月 22 日 20:25 付近
Iさん:「各単語の意味は理解していますか?」
Mさん:「はい。逆に何を理解してないと思われるんですか?」
Iさん:「全部です。喧嘩を売られているようで怖いです」

このやり取りで、Iさんが “あなたは理解していない” というスタンスを明言した形になっています。

nishio通報宣言をしたのは誰ですか?何に対して通報したんですか?
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Mさんの発言(19:13 頃)
「人文系の素養がないってかなり悲惨な人間だと思いますけどね私は。」
Iさんの反応(19:14)
まず「ハラスメントですね」と投稿
続けてそのメッセージを削除(LINE では“送信取り消し”と表示)
直後に 「通報します」 と宣言

つまりIさんは、Mさんの「人文系の素養がない人=悲惨」という表現を 差別的・侮蔑的なハラスメント発言 と受け取り、通報する意思を示した――という経緯です。

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