NISHIO Hirokazu[Translate]
「探索的タスク」の管理と「探索的タスク管理」
>rashita2 ◇探索的タスク管理|タスク管理を噛み砕く
>rashita2 「探索的タスク」の管理と、「探索的タスク管理」はわけて捉えたほうがよさそう。そもそも前者は"管理"という概念にそぐわない可能性すらある。

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探索的タスクの特徴
ゴールが明確ではない
例: 「新規サービスのコンセプトを考える」「未知の技術を試してみる」など
事前にやることを細分化しづらい
例: 要件定義や期日があいまいで、どこまでやれば良いか見通せない
やってみないと何が課題なのかわからない
例: 試作を回してみたら別の問題が発覚し、思ってもみなかった方向へ派生する

これらの理由から、通常のタスク管理(to-doリスト化してステップを追う、期限を設定して進行を管理する)では扱いにくいのが「探索的タスク」です。

探索的タスク管理の具体例
(A)まずは「管理しない」選択
最初からあえてスケジュールやガントチャートを組まない
気になるキーワードや手がかりをメモし、できるところから試作や調査を始める
思いついたことは「アイデアボックス」などにどんどん書き込む(整理は後回し)
(B)ゆるい仕組み+定期チェック
週1回や隔週で振り返り
「どこまで進んだ?」「何がわかった?」「気になる新トピックは?」
やることリストではなく “興味ポイント” を洗い出す
具体的作業というより「もっと深掘りしたい疑問点」や「仮説」レベルで列挙
期限を設定しても、あくまで“目安”
期限に間に合わせるためではなく、定期的に見直すための“リマインド”に近い使い方
(C)AIを活用した柔軟な管理
チャットAI(ChatGPTなど)で“未整理のアイデア”を定期的に要約させる
要約結果を読んで「ここが面白そう」「こっちは行き止まり」と取捨選択
Devin.aiなどでメモを集約しておき、必要に応じて各タスクを“再発掘”
一度保留にしたネタをあとから拾い直しやすい仕組みに

前者は“そもそも管理になじまない”
「探索的タスク」は、まさに「とりあえず動いてみる」段階なので、従来の管理的視点はまだフィットしにくい。
いきなりWBS化、ガントチャート化すると、動くたびに見直しが必要→面倒で破綻しがち
無理やり細かく管理するより、まずはアイデアを発散→定期チェック→不要な方向をバッサリ捨てるほうが進みやすい

後者は“探索を支援するための工夫”
「探索的タスク管理」は、最初からキッチリ管理するのではなく、探索の行き先を見える化してあげるアプローチ。
完全に放っておくと「何をやればいいか分からない」まま停滞するリスクもある
そこで、最低限の定期レビューやAIによる要約などを導入し、“行き詰まりを早期発見”できるようにする

まとめ
探索的タスク管理: この状態で進めやすいよう“ゆるい仕組み”や“定期チェック”を導入し、必要最小限のサポートを施すやり方

要するに、「そもそも管理不要かもしれない探索的タスク」をどう扱うかが「探索的タスク管理」のテーマと言えます。無理に管理の型にはめるのではなく、適度に放任しながら、詰まらないようサポートするスタイルを意識するのがポイントです。
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