NISHIO Hirokazu[Translate]
台湾で選挙期間に中国によって与党不利な印象操作がされた
nishio台湾において選挙の時に中国によって与党不利な印象操作がされたのは事実?検証可能なエビデンスはある?
GPT5結論から言うと、「台湾の選挙期に、中国(PRC)側が与党(DPP)に不利になり得る情報操作/影響工作を行っている」という主張自体は、複数の独立ソースで“状況証拠つきで”支持されています。ただし、(1)どこまでが「中国政府が指揮した」と断定できるか(帰属)、(2)それで実際に投票行動がどう変わったか(効果測定)は、証明が難しい部分も残ります。

Q: 検証可能なエビデンスはある? A: あります。大きく3系統です。

1) 台湾政府機関の定量報告(“何がどれだけ流れたか”)
台湾の国家安全局(NSB)が、2024年に中国発の言説(例:「疑米」「疑軍」「疑賴」=米国不信・軍不信・頼清徳不信を煽る系)を含む情報操作の量・傾向をまとめた資料を公開しています。ここには、年間の件数規模や主要ナラティブの整理が載っています。(nsb.gov.tw)
AP通信もこのNSB報告を踏まえて、中国による偽アカウントやAI生成等を用いた拡散を報じています。(AP News)
強み:政府としての観測・集計があり、傾向の一次資料になりうる
弱み:帰属(PRCが直接やったのか、協力者・第三者経由か)や、分類基準の妥当性は別途検討が必要

2) プラットフォーム/セキュリティ企業の観測(“どのアカウント群が何をしたか”)
Microsoft Threat Intelligence は、2024年1月の台湾総統選で、CCP(中国共産党)と関係するアクターがAI生成コンテンツを使って影響工作を増幅した、と明示的に述べています(同社ブログ/関連レポート)。(The Official Microsoft Blog)
また、Metaは長年「CIBcoordinated inauthentic behavior:協調した不正行動)」としてネットワーク摘発の報告を出しており、中国発ネットワークの削除事例を継続的に公開しています(四半期レポート等)。(Transparency)
強み:アカウント群・挙動・運用の“手口”に踏み込むことが多い
弱み:調査データの全量は非公開になりがちで、第三者が完全再現はしにくい

3) 市民社会/研究機関の監視レポート(“どういう物語がどう流通したか”)
台湾のDoublethink Lab などは、選挙期のFIMI(Foreign Information Manipulation and Interference)を監視し、PRC起点の言説パターン、拡散の特徴、AI生成の利用などを整理しています。(Medium)
欧州の研究機関(例:MERICS)も、2024選挙前後の対台湾影響工作の特徴を分析しています。(merics.org)
強み:方法論や具体例が比較的説明され、政府・企業とは別の視点
弱み:帰属の確度は「可能性が高い」「整合する」止まりになりやすい(国家の関与を法的に立証するのは難しい)

「与党不利な印象操作だった」とどこまで言える?
少なくとも、台湾NSBが挙げる主要ナラティブ(疑米・疑軍・疑賴など)は、結果的にDPP政権への信頼を下げ得る方向です。(nsb.gov.tw)
ただし「中国が“与党を落とす目的で”やった」と“意図”まで厳密に証明するのは難しく、実務上は (a) PRCに整合的なナラティブ、(b) 連携した不正行動(CIB)、(c) PRC系メディア・インフルエンサー・ボット網との接続など、複数指標の積み上げで評価されます。(Transparency)


1月27日公示、2月8日投開票の衆院選2026においても同様の現象が危惧されていたが:
2026-01-29
>ありがとうGoogleなんですが、4カ月前から比べると日本への中国からの攻撃が30%程度にまで一時的に落ち込んでいて、これはこれで良かったのではないかと思っています。今日のコロキウムでも報告しますが、中国の悪質 ボットネット企業のネットワークがごっそり潰れた結果、日本語圏のSNSにも大きな影響がありそうだというのは福音と言えます。
>... 経緯で言えば、レター通りの内容ならば1月28日にGoogle Threat Intelligence Group(GTIG) は米連邦裁判所を通じて IPIDEA に関連する数十のドメインを法的命令で削除・制御下に置くことに成功しました。これにより、同社のネットワークインフラの多くが実質的に遮断されるに至りましたが、Kimwolf ボットネットやソバー系の マルウェアの温床だったことは間違いなく(実際にきょう、攻撃が減った)、これらは単純なマルウェア対策というよりは構造的に悪用されやすいproxyインフラへの対策として効果を上げるんだろうなあとは思います。

"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

(C)NISHIO Hirokazu / Converted from [Scrapbox] at [Edit]