NISHIO Hirokazu[Translate]
サステナブル・ブランド国際会議 2026
2026-02-18~19
僕はday 2だから2/19
東京国際フォーラム
10:50~ Plenary: プルラリティで実装する真のウェルビーイング~分断社会の設計図
10:10までにB棟7階 スピーカー受付
13:45-15:00: Well-beingの新潮流~そこに社会的価値はあるのか?
スライド締切: 2/10

2026-02-19 当日
プルラリティで実装する真のウェルビーイング~分断社会の設計図
幾多の社会課題が散見される昨今、世界中に分断が見られ、その速度と深さが進んでいることが垣間見えるのではないか。この分断を軽減もしくは払拭もしくは解消することが、すべての社会課題を解決する大きな糸口になるのではないか。 本セッションでは、新進のプルラリティを取り上げながら、分断社会に向けてのウェルビーイングについて、異なる観点でのスピーカー陣で、私たちのあり方を問う議論を展開します。
星 賢人ファシリテーター
株式会社JobRainbow
西尾 泰和
サイボウズ・ラボ株式会社
三井住友信託銀行株式会社
三井住友トラスト・ビジネスサービス株式会社
株式会社日立製作所
株式会社ハピネスプラネット


矢野さんのウェルビーイング
幸福=ウェルビーイング
常に変わり続ける動的な目的であり、生き残るための適応力
中核には「創造性」があり、AI時代においてはこの創造性をいかに生み出していくかが重要

ピラミッド型の階層的な人間関係ではなく、斜めや横の繋がり
AIと対立するのではなく、AIと一体化して一人ひとりの能力やメタ認知が拡張される
これにより自律的な組織や働き方が実現できる
この話はブロードリスニングのこの図の「丸」が一人の人ではなく、AIと組み合わされてより強化されていくのではという話だった
関連
階層的な人間関係ではない、という話
もともとこの図の登場はこういう形だった
さらにこの図の前の形が生まれたのはLLMがもたらす組織構造の変化(2023-03-29)
この辺りのことを安野さんと話した動画もある

矢島さんのウェルビーイング
心身が健康で
会社のパーパスに共感しながら
多様性を認め合う良好な人間関係のもと、
自分の価値や強みを生かして
働く幸せを実感し追求していける状態
一般的なウェルビーイングの指標
「友人や繋がりが多いこと」が上位
社員の中には「孤独が幸せ」という声もある
会社が上から「これが幸せだ」と管理・強要するのではなく、その多様な「個」を活かすのが大事

AIが進化することで管理・監視社会になるのではないか
例えばスマートウォッチに「あなたは不幸です」と判定されて不安になるような
幸福を目的としたはずが、データ化・資本化された結果、監視・管理されるディストピア
AIの発展の方向性を決めるハンドルを人間が握り、防衛的な技術を優先的に発展させるべきだ
垂直的なAIと水平的なAI
AIによる監視カメラなどの「問題を発生させる技術」よりも、AIに監視されないようにする「問題を解決する技術」「防衛的な技術」を優先的かつ早期に発展させなければならない
d/accの話

「ウェルビーイングの指標には社会的なつながりが含まれるが、社会的な繋がりを作る企画をやると"孤独が好きだからほっといてくれ"という社員がいる」という話
自分自身も会社が企画する、社員がお互いに知り合ったり仲良くなったりする機会を作ろうとするイベントがあまり好きではなく「ほっといてくれ」という社員の側だなと思う
「孤独が好き」というのは本心ではなく、正確に説明することが高コストだったり社会的リスクがある場合の方便なのでは
たとえばこのメタバースでのアイデンティティに関する調査では1000人以上の人がメタバース上で、ほとんどの場合は自分の物理的身体とは異なる形状の(しばしば人間ですらない)アバターを着てコミュニケーションしている
半分くらいの人はVRアイデンティティを物理世界の友達や家族に隠しています。カミングアウトして安全とは感じられないのでしょう。職場では尚更だと思います。
これもまた社会が交差するグループで構成されていることの一例で
"興味関心によって集まったデジタルの地域"の一種として「物理的身体と異なるアイデンティティで集まるメタバース」があり
ある人は物理的身体で職場コミュニティに参加しつつ、VRアイデンティティでメタバースで社会的なつながりを持っているのでしょう。
その状況で社内イベント(例えば飲み会)が企画されると、それはメタバースでの社会活動と可処分時間を奪い合うので拒絶したくなるわけです。

すこし難しくて理解できてはいませんが、思考の選択肢が狭まらないように気をつけて思考する仕組みだという雑な理解をしています。
これと独立した話ですが、AIエージェントに過去の試行錯誤の情報を全部持たせて作業をさせると過去の小さな成功にとらわれてしまうから
探索をしたい時には文脈を共有しない複数のエージェントを走らせた方が良いという議論があるのを連想しました。
これは利用と探索のトレードオフですね、情報共有を良いものだと思いがちですが、遂行の効率が良いことと新しいものの探索能力とは別の軸なのだなと思いました。

雑談
危機感
台湾が偽情報攻撃を受けてる話
新たな冷戦とAI覇権

効率化のための分業
全体像が見えなくなる


Well-beingの新潮流~そこに社会的価値はあるのか?
Well-beingとは身体的な健康、精神的な健康、社会的充足感の3要素がすべて満たされている状態?そのフェーズはもはや旧態依然かもしれません。極めてリジェネラティブに命やあり方と向き合う、かたや、最新のテクノロジーを駆使し創発する、など、やり方は千差万別でも社会的価値を高めてこそ、意義のあるWell-beingという新潮流の考察を展開します。
Facilitator 山岡 仁美
サステナブル・ブランド国際会議 D&Iプロデューサー
株式会社グロウス・カンパニー・プラス 代表取締役
学校法人千葉学園千葉商科大学 人間社会学部 教授
宗教法人簗田寺 住職
社会福祉法人東香会 理事長
西尾 泰和

人間は「内と外」や「自分たちと彼ら」といった境界線を引く一方で、分断されたもの同士を繋ぐこともできる生き物
境界線は一度引いて終わりではなく、状況に応じて「引き直し続ける」ことが重要であり、異なるコミュニティ間をまたぐ「橋を架ける人」になることが、これからの社会で求められると議論されました
SWGs: Sustainable Well-being Goals

クライミングの岩に対するチッピングの議論GPT5
チッピングをめぐる議論/「よそ者」が関わってローカルなコミュニティが立ち上がる/環境倫理を権 永詞さん自身が論文として書いて公開しています。
権 永詞(2021)「『よそ者』がつくる『ローカル』なコミュニティの役割と特徴 ―環境倫理の視点から考えるアウトドア・アクティビティの研究に向けて―」『千葉商大論叢』59(2): 153–169.
この論文の中で、チッピング(tipping)をめぐる議論にも触れられており、少なくとも1980年代には問題行為として認識されていた、という整理も入っています。
関連(同じ著者の後続)
権 永詞(2024)「エコツーリズムを通じた地域の独自性の創出 …」
2021年論文を参照しつつ、アウトドア・アクティビティと地域/資源化の議論を展開している位置づけです。

家族や地域といった伝統的な共同体から個人が離脱
多様な価値観やライフスタイルが尊重される「個人化」
自己実現やキャリアアップを重視する「新しい中産階級
古い価値観や共同体を守ろうとする「古い中産階級
主観的ウェルビーイング
個人の満足度や幸福感に焦点を当てる「主観的ウェルビーイング
現在主流となっている
本来は不平等や格差といった社会構造的な問題であるにもかかわらず、「幸せを感じられないのは個人のマインドセットの問題である」と、幸福が個人の責任(自己責任化)とされてしまう

仏教の「空(くう)」の思想をベースに、関係性の構築や「足るを知る」ことの重要性が語られました。
ご縁とは関係性を定義すること:この世界は関係性で成り立っており、「ご縁がある」とはその関係性を自ら定義し、繋がりを顕在化させること
」と「足るを知る」:
現代は効率やスピードを重視しすぎていると指摘し、最短距離で目的を目指すのではなく、余白や「暇」を楽しむ時間の使い方がウェルビーイングに繋がる
際限のない欲望のレースから降りて「足るを知る」ことや、対立する自分と相手(AとB)の間に「第3項」を見出すことで、妬みなどの苦しみを滅することができる
止めるのではなく動きを作るのが大事、という話が興味深かったnishio

ブロードリスニングによる橋渡し:
AIを使って多数の意見を同時に聞き取り、要約・可視化する「ブロードリスニング」
AかBかという単純な多数決や対立ではなく、両者の「共通点」と「相違点」を可視化し、異なるグループの間に橋を架け(ブリッジし)、合意形成を促す

Q: 企業はパフォーマンスを追求する必要があるが、個人の多様な幸せの尊重とどう両立させればよいか?
企業としてどこを「足るを知る」ラインとするか
金銭的な利益だけをKPIにすると際限がない
一定以上は従業員満足度に投資・分配することになる
利益を追求する株式会社だけでなく、メンバーの幸福をKPIに置く協同組合のような組織形態も存在します。
モンドラゴン協同組合のことを考えていた
若者が減少していく社会において、従業員の満足度を高めることは人材獲得競争のパフォーマンスを高める
「パフォーマンス」の計測尺度が金銭だけではないという話
企業が存続するためには人が入ってくることが必要なのでそれも「獲得すべきもの」であり、現金はコモディティなので獲得プロセスで現金を経由すると効率が下がる
資金調達の面でも、ウェルビーイングへの取り組みが評価されるようになっています

Q: 仏教の「足るを知る」に関連して、人間の「妬み」などの感情をどう乗り越えればより良い社会になるか?
斎藤住職: 仏教では、自分と相手(AとB)という二項対立の関係性から妬みが生まれると考えます。これを解消するには、「AでもありBでもある(あるいはどちらでもない)」という「第3項」を見出すことが重要です。
西尾氏: 例えば、金持ちがいてあなたが妬んでいるとき、相手を自分と異なるグループだと考えているわけですが、その金持ちの誰かと「共通のプロジェクト」を立ち上げれば、相手の資金力が自分たちにとって有益なものに変わり、妬みが解消されます。対立するグループ間に「橋を架ける(ブリッジする)」ことが解決策になります。

Q: 自由や共同体を重視する考え方に対し、ウェルビーイングは指標を作って最大化を目指す「功利主義」的なアプローチに見えるが、どう考えるか?
幸福度を測る「主観的ウェルビーイング」は確かに功利主義的な側面があります。しかし、人間が皆同じように幸福を求めているかは疑う余地があり、「自由な個人」と「共同体」のどちらを重視するかという価値観の対立を直視せずに、ただ幸福度を測ろうとすることには危うさがある。

Q: 企業成長において同質性の高い組織の方が効率的ではないか?
「実行・執行」のフェーズでは同質性が有効な場合もあるが、新しいビジネスを「探索」するフェーズでは多様な人材が有用
やることが決まっている場合にそれを遂行する効率は均質な軍隊の方が高いだろう
執行フェーズ: すでに勝ち筋(型)が見つかっているビジネスを遂行する段階では、みんなが同じことを考える「同質性の高い兵隊」の方が効率が良い。
探索のフェーズでは均質な人間だと探索範囲が重複して効率が悪い、多様な人がいた方がいい
探索フェーズ: 新しいビジネスを探す段階では、同質性が高いと同じアイデアしか生まれないため、多様な人材が不可欠になる。大企業は「執行」の割合が多くなりがちだが、新しいものを生み出すには多様性が必要
ここ、振り返って考えると「人間+AI」の構造では設計次第で変わる可能性があるな〜
既存の大企業は、すでにビジネス上の湧き出しを占有していて、そこから得られた利益に人が集まって大きくなってるコミュニティ
そこに集まってる人だけ間作するとバイアスがありそうね



参加者から「西尾氏の所属するサイボウズ社内で使っている意見集約システム(ブロードリスニング)を外部でも使えないか?」という相談が多く寄せられました。 西尾氏は、社内システムは外部提供していないものの、オンラインで無料で使える意見集約システムとして「倍速会議」というツールを紹介し、まずはそれを試してみることを強く推奨していました
経営者からの相談: 「顧客アンケートをGoogleフォームで集めて要約しているが、これはブロードリスニングか?」という問いに対し、西尾氏は「意見の集まりを可視化するという意味では近い」と回答。さらに「倍速会議」のようなシステムを使えば、AIが参加者と対話し、意見をレポート化し、参加者同士の意見の「相違点」と「共通点」を可視化して合意形成に繋げられるとアドバイスしました


敵同士が別の属性で繋がる「ご縁」:
スポーツで敵と味方に分かれて対立していても、「実は同じ地元だった」と気づいた瞬間に繋がり(ご縁)を感じるという話題


子供や高齢者(マイノリティ)の世界観に学ぶ
効率や合理性で動く大人(マジョリティ)の社会に対し、子供や認知症の高齢者といった異なる時間軸を生きる人々の世界観について
子供の世界観:
子供は大人社会の中では力の弱いマイノリティ
大人の「早く目的地に着く(最短距離・効率)」というルールとは異なる次元で、道端の予期せぬものに興味を持ちます
認知症高齢者の世界観:
「財布を盗まれた」と主張する認知症の方も、彼らの記憶が抜け落ちた世界の中では「自分が置いていないのだから誰かが取ったに違いない」という、彼らなりの論理的な推論(正しさ)を持っています。
こうした「自分たちと異なる世界観」を持つ人たちを排除したり、無理に大人のルールに従わせるのではなく、彼らの視点に立って世界を捉え直すことが、結果として大人の凝り固まった視点を広げ、ウェルビーイング(余白)に繋がる



準備段階メモ
2026-02-15
>nishio 来週はサステナブルブランド国際会議で講演してきます
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2026-01-29


Pluralityとは何?
2016年 Audrey Tang
Pluralityは社会の中にある多様性と、多様性をまたいだ協力を育む技術です。
Audrey Tang(2025)

AI技術の急速な発展
もうAIは平均的な人間の知能を超えている

案1
計算できるようになると、誘惑が生まれる
「だったら全体を一気に最適化すればいいのでは?」
歴史的にこれは計画経済と同型
AIは「全体最適主義」を現実的選択肢に戻してしまった
この方針より「意思決定をAIに委ねたらいいのでは」の方がスムーズか
それは個々人の意思決定の自由を奪うことになる

全体最適
中央集権
多様な個人の個性が犠牲になる
個々人に最適化
みんなが自由に温暖化ガスを出したら地球環境が壊れる
この2つは関連に押し込めでいいかも
エリノア・オストロム(2009年ノーベル経済学賞)
中央集権でも市場でもない
多層的・多中心的なガバナンス
Boston Global Forum 2024
Audrey Tang
Plurality本 p.67
>社会世界は、孤立した個人の無秩序な寄せ集めでもなければ、一枚岩の全体でもない。むしろそれは、個人アイデンティティと集合的組織の両方を特徴づける、多様で交差する帰属性が織りなすものだ。私たちは、この概念をハンナ・アーレントと、特に彼女の著作『人間の条件』と同一視する。同書で彼女は多元性こそが、人間としての条件における最も根本的な要素だと述べる。

Plurality(多元性)という言葉を聞いてハンナ・アーレントを連想される方が多い
1/3はあってる
>図 3-0-A ⿻ 數位 プルラリティ(多元性)の三部構成の定義

>多様性は社会進歩の原動力であり、他の原動力と同様に爆発する(対立に発展する)可能性はあるが、社会が成功するには、その潜在的なエネルギーを成長のために活用しなければならない。私たちはこの概念を哲学者ダニエル・アレンの「つながりのある社会」理念と同一視し...

>デジタル技術は、産業技術が物理的な燃料を利用してその爆発を封じ込めるエンジンを作ったのと同じように、多様性の暴発を活用するエンジンの構築を目指すべきだ。この概念は、2016 年から著者オードリー・タンが、ある技術アジェンダを指すときに使っている「プルラリティ(多元性)」という用語と同じである。

具体的な技術の話
Polis
人々から集めた「人々の意見の分布」を人々にフィードバックすること
2015年
多分これ時間が足りないよな

日本のkamiの概念に言及
場のテーマであるwell-beingとの関連も深いし、ぜひ言及したいところ

入らなさそう






初期にこう書いてたけど内容が固まってきた 2026-01-29 時点、この自己紹介よりPluralityに寄せた方がいいな
サイボウズの研究部門子会社で個人やチームの知的生産性向上を研究してきた、LLMの進歩で情景が急速に変わりつつある
Pluralityの中でも特にブロードリスニングに興味がある、これは人間の他者理解能力を増強する技術、知的生産性向上の技術の一環と捉えている
2005年ごろの博士課程での研究テーマは高次元ベクトルの可視化だった
ベクトル埋め込みの技術は黎明期2014年に技術書を出版したりしていた
2023年までにこの二つの技術がすごく進歩して合流しTalk to the Cityが生まれた
これを安野さんが2024年の都知事選で使ったことで概念が広まった

2025-12-12

"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

(C)NISHIO Hirokazu / Converted from [Scrapbox] at [Edit]