NISHIO Hirokazu[Translate]
ブロードリスニング
情報を複製し配信する技術の発展により、一人の人が大勢の人に考えを伝えることが容易になった。
しかし大勢が情報発信すると、一人が受け取る情報量が膨大になり情報洪水で溺れてしまう。
人々が積極的に発信する社会や会社では、大勢の意見を聞くことを支援する技術が重要になる。
図は2023年に情報処理学会誌に寄稿した「主観か客観かではなく、一人の主観から大勢の主観へ」から
この図はブロードリスニングを解説する上で便利らしいのでCC0とする
LLMの発展によって要約技術が発展し、それが人々のコミュニケーションの形に影響を与えていく
関 治之による 2024年度 人工知能学会全国大会 シビックテックによる、社会と民主主義のアップデートも参照
具体的な技術の例: Polis, Talk to the City

2025-11-15
>Broad listening is the opposite of broadcasting.
> ブロードリスニングは放送の反対です。
> While broadcasting is the ability to speak to millions of people, broad listening is the ability to hear from millions and synthesize their collective wisdom into a shared voice. And when broadcasting and broad listening are combined, they can enable one person to have a conversation with millions of people.
> 放送とは何百万人もの人々に話しかける能力ですが、ブロードリスニングとは、何百万人もの人々の声を聞き、彼らの集合的な知恵を共通の声にまとめる能力です。そして、放送とブロードリスニングを組み合わせると、一人の人間が何百万人もの人々と会話できるようになります。
Andrew Trask自身による記述。書かれたのは2025年の9月ごろ。


2025-07-14 色々詳細調査o3nishio
Audrey Tang が「broadcast ↔ broad listening」という対概念を公で初めて明言したのは 2024 年5 月が確認できる最古.
2024-05-06 AI Objectives Institute との公開対話
“What’s the inverse of broadcasting? Broad listening. … maybe we need a name for this now.”
2023年のPluralityのprefaceにも書かれていた(僕はそれを見て知った)が、確かにこれを書いたのがAudreyかGlenかは明確ではない(GitHubのログを見ればわかるとは思う)
2016 年時点の発言から「一方向放送 vs. 多方向リスニング」という思想自体は一貫しており,フレーズを定式化したのが 2024 年とみられる.
2016 年12 月の ICRT インタビューで、Tang 氏は「ラジオは何百万人が1〜2人の声を聴けても、1〜2人が何百万人の声を聴く手段がない」という“片方向”性を問題提起し、**「何百万人を“聴く”ためのスケーラブルな listening 技術が必要だ」**と説いている。これは “broadcast ↔ listening” の対比を明確に示す。
>It’s because of this that I’m experimenting with this, as if in a laboratory, on various public governance topics. It’s because we’re early in this new, what I call, scalable listening technologies that we need to tailor‑make it to each different specific policy issues.
Audrey 以外 で “broad listening” が登場する最古の用例は,ブランド名として使われた Sarah Austin 氏の HR スタートアップ Broad Listening(2016 年1 月時点で Inc. 誌に掲載) でした.概念的には 2016 ~ 17 年の NGO/国際開発分野の “broad-listening workshop” という表現が,公共的議論を聴取する意味で最も早く確認できます.学術的に “broad listening” を deliberation 技法として提唱した人物は研究者 Andrew Trask とされ,その事実を明示的に記した最古の一次資料は 2025 年2 月版の査読前論文 Prosocial Media です(論文内脚注に “The term ‘broad listening’ was proposed by researcher Andrew Trask.” と明記)。

2025-01-23
「ブロードリスニング」という言葉を避けようとして色々な和訳が模索されている
個人的には「広範囲の傾聴」という表現が一番しっくりきた
その他の目にしたもの: 広聴, 多聞, 広範な傾聴, デジタル広聴

2024-06-07
安野たかひろ氏が東京都知事選に出馬へ 記者会見の中でブロードリスニングへの言及があった。オードリータンからも安野さんの計画の良いところとして言及されている。

2024-05-31
2024年度 人工知能学会全国大会 オーガナイズドセッション » OS-8 AIとデモクラシー 基調講演

2024-01-11
Glen Weylによれば、この概念はAndrew Trask由来で、broadcasting / broadlistening という対比構造らしい

2023-04-22
私は人間の知的生産性の向上に関心がある。ブロードリスニングは生身の人間には不可能な「多勢の意見を聞くこと」を可能にする技術。なので、人間増強の一種として興味がある。

2023-04-11
ブロードリスニングという言葉はPluralityの解説を読んでいて知った
>何百万人もの人々が仲間の意見分布のエッセンスを抽出したものを聞くことができる
>Advances in statistics (often associated with AI) make it possible “broad listening”, where millions of people can hear the distilled essence of the distribution of opinion of their peers, empowering democratic deliberation at scale.
(DeepL)統計学の進歩(しばしばAIと関連付けられている)は、何百万人もの人々が仲間の意見の分布から抽出されたエッセンスを聞くことができる「ブロードリスニング」を可能にし、大規模で民主的な熟議を強化することができます。




--- 以下AI生成
ブロードリスニング 2023-09-01 01:19 omni
私の研究は、人間の知的生産性の向上に焦点を当てています。特に、多くの意見を聞くことを可能にするブロードリスニングという技術に興味があります。これは人間増強の一種と考えています。

ブロードリスニングは、統計学の進歩とAIの関連性により、何百万人もの人々が仲間の意見の分布から抽出されたエッセンスを聞くことができるようになりました。これにより、大規模な民主的熟議が可能になりました。

具体的な技術としては、Polisがあります。これは、多くの人々が質問に対して意見を表明し、それが可視化されるシステムです。AIが人格を演じることも可能で、これにより、多重視点が得られます。

「大勢の意見を認識する能力」を増強すれば「よりよい合意形成」ができる

しかし、ブロードリスニングの実践手法の習得はまだ課題となっています。これについては、今後の研究で深く探求していきたいと考えています。

extra info
titles: ["ブロードリスニング", "Kozaneba:Plurality", "PluralityとPolis勉強会", "ブロードリスニングの概念を言語化したい", "LLMとPluralityの関係"]
generated: 2023-09-01 01:19
previous notes
ブロードリスニング
私は人間の知的生産性の向上に関心がある。ブロードリスニングは生身の人間には不可能な「多勢の意見を聞くこと」を可能にする技術なので、人間増強の一種として興味がある。

ブロードリスニングという言葉はPluralityの解説を読んでいて知った
>何百万人もの人々が仲間の意見分布のエッセンスを抽出したものを聞くことができる
>Advances in statistics (often associated with AI) make it possible “broad listening”, where millions of people can hear the distilled essence of the distribution of opinion of their peers, empowering democratic deliberation at scale.
(DeepL)統計学の進歩(しばしばAIと関連付けられている)は、何百万人もの人々が仲間の意見の分布から抽出されたエッセンスを聞くことができる「ブロードリスニング」を可能にし、大規模で民主的な熟議を強化することができます。

具体的技術

Polisに関して「社会を変えたくてやってるんじゃないの?」と質問されて改めて考えてみたんだが、それほど社会を変えたいと思ってるわけでもない気がしてきた
「複数の人格がたくさんの質問に対して意見を表明して、それが可視化されるシステム」
たとえば/villagepump/Scrapbox ChatGPT Connector座談会モードみたいに、人格をAIがやることも可能
自分の興味がある生煮えのトピックに対して自分が「有益な意見を出してくれるかも」と思ってる人を20人集めて投票してもらうのって高コスト
だけど寝てる間にAIが色々な人の人格で投票してくれたらいいよね
「あれー、この議題、当然賛成だろと思ったのに意外と意見が分かれるなー」という切り口がそれによって発見されたら、「このテーマについて反対の人をAIに演じさせて議論しよう」とかできるわけ
人間増強の手法だから興味がある、ということ

"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

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