NISHIO Hirokazu[Translate]
知識の足りない人に知識を与える方法

Aさんが何か新しい伝えたい概念Xを持っているとする
Bさんみたいに十分な積み上げがある人に対しては、そのXだけを伝えれば良い
だが、そういう積み上げを持たないCさんに対してはどう伝えると良いのか
選択肢1
必要な情報を全部教える
Cさんのためにはベストな方法
しかし世の中の大部分のCさんはそこまでのコストをかける気がない
例えていうならこれは「そもそも整数とは何か」あたりから書いてる数学の本みたいなもの
得たい概念Xにたどり着く前に大部分の人がドロップアウトする
著者の側としてもものすごくコストがかかる
紙の本には物理的なページ数の制限があったりする、出版社の側の出版コストの制約
なので現実的にはあまり採用されない選択肢
選択肢2
概念Xにたどり着くのに最小限のストーリーだけを積む
本来、複数の具体的な経験から抽象化して積み上げていくものを、書籍がストーリーという形で提供する
しっかり支えることはできないが、かろうじてなんとかする
本に書けなかった部分は参考文献などの形で示したりする
洋書の翻訳のタイミングで参考文献リストを削除するような出版社があって、僕はそれが嫌い
選択肢3
著者のハロー効果によって、とにかくこれは正しいのだから信じなさい、とやる

"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

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