NISHIO Hirokazu[Translate]
ATOMIC: An Atlas of Machine Commonsense for If-Then Reasoning
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ATOMICは、日常の出来事に対する因果的・推論的常識知識を大量に収集した知識グラフです。主なポイントは以下の通りです。

大規模データ: 877,000以上の「if‐then」関係(例:「もしXがYに褒め言葉をかけたら、Yはお返しの褒め言葉をするだろう」)を、自然言語のテキストとして収集しています。
多次元の推論: イベントに対する「意図」「反応」「必要な前提」「後続の行動」など、9種類のif‐then推論タイプにより、原因や結果、心理状態、人物の属性など、様々な側面から推論可能です。
階層構造の利用: これらの推論タイプは、因果関係(原因・結果)や対象(行動の主体と受け手)などの階層的な構造で整理され、ニューラルネットワークでの学習に活用されています。
ニューラル生成モデル: イベントを入力として、関連する推論(例えば、前提となる出来事や後の反応など)を生成するシーケンス生成モデルを提案。GloVeやELMoといった事前学習済みの表現を用い、エンコーダ‐デコーダモデルで学習しています。
評価結果: マルチタスク学習でif‐then関係の階層構造を活かすと、単一タスクモデルよりも推論の精度が向上することがBLEUスコアや人手評価で示されました。
既存知識グラフとの差異: 従来のConceptNetなどは主に分類的な知識が中心ですが、ATOMICは具体的な日常のイベントから得られる因果的な推論情報を豊富に含んでおり、約75%以上が新たな知識となっています。

このように、ATOMICは日常の出来事に関する機械常識推論を実現するための大規模かつ多次元のリソースとして、AIの理解や応答生成の向上に貢献することを目指しています。
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