NISHIO Hirokazu[Translate]
「えっ、本当に投資ゼロ!? “X”を手に入れたあの人の秘密」
「Xを持っていていいですね! どうやって手に入れたんですか?」
「別に、特になにもしてないよ」
「えっ、投資なしでそこまで手に入るとか、魔法でも使ったんですか?」
「いえいえ、本当にたまたまなんですよ」
「うーん、やっぱり何も投資しないで得られるわけがない…羨ましくてちょっとモヤモヤする…」

こんな会話が繰り広げられたとき、あなたはどう思うでしょう?
「そんなわけない!」「運がいいだけかも」「何か隠してるんじゃない?」と色々な反応があるかもしれません。

でも実際のところ、どんな“X”であれ、何かしらのかたちで “投資” は必要になるものです。もちろん「投資」とは、お金をつぎこむだけではありません。時間や労力を費やしたり、新しい知識を身につけたり、人脈を広げたり——要するに“自分のエネルギー”を注ぐことすべてが投資といえます。

だからこそ「Xほしいな~」と言うだけで動かなかったり、「それぐらい自分も簡単にできるでしょ」と甘く見ていると、いつの間にか人生がどんどんハードモードになってしまうかもしれません。

「Xを持ってていいですね」と言われるような人は、大抵「何もしてないように見えて、実は人知れずコツコツ投資していた」タイプが多いもの。まるで“影の努力家”ならぬ“影の投資家”ですよね。

とはいえ、全員が同じゴールをめざす必要はありません。人によっては「今は別のことに集中しているから、Xには投資していない」「自分にはYのほうが大事」と考えることもあるでしょう。

大切なのは、ほしいものがあるなら「じゃあ、そのために私、何を投資しよう?」とあらためて考えてみること。それはお金かもしれませんし、時間かもしれないし、人脈かもしれません。そこをはっきりさせると、今度は人から「X持ってていいですね!」と称賛されたときに、胸を張ってこう言えます。

「ええ、まぁ、ちょっと“投資”したんですよ。」

そのほうがずっとかっこいいと思いませんか?

解説
概念を解説しようとして、思いつきで会話形式にしたがあんまり面白くない会話だなと思ったのでo1 Proに「もうちょっと一般的な読者にとって面白くして」と言ったら予想外な文章が出てきた(「ちょっと」とは...)

> 「Xを持ってていいですね」
> 「あなたはXを得るためにどういう投資をしたんですか?」
> 「特にしてない」
> 「じゃあえられないです」
> ---
> これをもうちょっと一般的な読者にとって面白くして

ついでなので「面白いタイトルをつけて」と言ったらこんなタイトルになった

感想
一般人は「えっ、投資なしでそこまで手に入るとか」って言わんやろ
「投資しなければ得られないものがある」ということに気づかない人いるよねという話なので...

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