NISHIO Hirokazu[Translate]
締切ドリブン/会議ドリブン
締切ドリブン/会議ドリブン
「いつかやろう」「できるといいよね」では永遠に進まない問題の一つの解決策が締切ドリブンなわけだが、体力の落ちた人がそれをできなくなってきたときに頼るもう一つの手段が会議ドリブンなのかも知れない
という唐突な思いつき
中身のない会議に対するイラつきの話を聞いたばかりだから連想がつながった
締切も会議(or時間枠を先に確保すること)も特定のトピックに集中させる仕組み
締め切りは間に合わなければ0だが、会議はぬるい話してても0でない進捗が生まれたような雰囲気になってしまうのが良くないところ
「この1時間の話し合い、Google Docsで確実5分書けば済んだのでは?」

o3私見をざっくりまとめると――

1 つの視点:締切=「外部からの圧力」、会議=「外部へさらす場」
締切ドリブンは「成果物を○日○時に公開する」という“外圧”で集中力を絞り出す装置。
成果がゼロ/100 のデジタル評価になりやすく、体力や注意力が落ちると反動が大きい。
会議ドリブンは「人前で話す/見せる」ことで“社会的な緊張”を借りる装置。
ただし議論がふわっと終わると「何かやった気分」だけ残り、成果はアナログ評価でごまかせる。

なぜ会議は“進んだ気”を生むか
同席者がうなずく → 無意識に「合意=進捗」と錯覚。
ステータス報告で時間が過ぎると「作業が前に進んだ」と脳が誤認。
参加者全員の合計コスト(時給×人数×時間)が見えにくい。

体力が落ちたときの“第三の選択肢”
締切
期日で外圧
爆発的集中
0 or 100、負荷大
会議
人前で共有
社会的緊張
進捗錯覚
30‑60 分、Zoom+Google Docs で同時編集し「成果物をその場で出す」
ファシリテーションが必須

実践アイデア
1. 「成果物ファースト会議」ルール
会議開始5分で Google Docs の“空テンプレ”を配布。
残り時間は黙々と記入 → 終了時点で文書が出来ていなければ未完とみなす。
2. デシジョンログを必ず1行で残す
「決めたこと/残タスク/担当/〆切」を1文で書いて解散。
書けない議題は“そもそも決めなかった”と可視化できる。
3. 短サイクルの“公開ドラフト
週1でドラフトを Notion や Scrapbox に強制公開。
完成度より更新頻度を KPI にし、締切より負荷を低減。

結論
体力低下で締切ドリブンがつらいなら、「会議=成果物を作るライブ作業」へモードを変換するとバランスが取りやすい。
単なる“話し合い”ではなく、“その場で書く・決める・残す”を儀式化すると、締切の集中力会議の社会的圧力を両取りしつつ「進んだ気分だけ」を排除できる。

ご参考になれば!


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