男女平等で一夫多妻制への移行が起きる
45歳時点で無子の男性は、1985年の14%から2013年の23%へ増加。女性は10%から13%への増加。
ノルウェーは出生率が比較的高く、男女平等の先進国なのに、男性の無子率が高いという「逆説」。
女性が、以前の関係ですでに子どものいる男性との間に子どもを持つことがある。
その現象を “men who are already fathers get recycled” と表現している。
男女平等政策は親になることを容易にしたが、その効果は特に女性に大きかった、という研究者An-Magritt Jensenの解釈。もっとも、本人も「さらに情報が必要」と留保しています。
男性の無子率
ノルウェー統計局の2014年の記事では、45歳男性の無子率が1985年から2012年にかけて14%から23%に上昇した一方、女性は低く比較的安定していたと報告されています。移民男性の増加だけでは、この上昇の大部分を説明できないという分析です。
「男性の再利用」という表現の古い出所
ノルウェー統計局のKari Skredeによる2004年の記事 “Færre menn blir fedre”――「父親になる男性が減っている」 が、かなり直接的な祖先です。複数の女性との間に子どもを持つ男性を調べ、1940年生まれの父親では7.1%、1955年生まれでは12.0%だったとして、これを比喩的に「状態のよい中古男性の再利用」と表現していました。元の “recycled men” はここから来た可能性が高いです。
査読論文
LappegårdとRønsenの2013年の『Demography』論文は、ノルウェー男性の multipartner fertility――複数のパートナーとの間に子どもを持つこと を登録データで分析しています。これは社会経済的に不利な男性だけでなく、有利な男性にも多いというU字型で、単純な「上位男性だけが女性を独占する」という結果ではありません。
ただし、後続研究でストーリーはかなり修正されている
2021年のØystein Kravdalによる分解研究では、ノルウェー生まれの男女で無子率の差が広がった主要因は、出生数が減少するなかで男性が数歳年下の女性と組む傾向から生じる出生コホートの人数差でした。再婚・再交際による「父親の再利用」は、むしろごく弱く反対方向に作用していました。
さらに2026年のBratsberg、Cools、Røgebergの研究は、1945~1978年生まれの全国登録データを使い、次の結果を報告しています。
複数のパートナーとの間に子どもを持つ割合は、最近の出生コホートでは低下している。
1956年以降の出生コホートでは、男性より女性の方がその割合が高い。
男性では高所得者より低所得者の方が複数パートナー出生を経験しやすい。
高所得男性が女性によって繰り返し「再利用」されることで、低所得男性の無子率が上がったという説明は支持されない。
したがって、出典に忠実に書き直すなら、次のくらいがよさそうです。
> 男女平等の進んだ2010年代のノルウェーでは、女性より男性の無子率が大きく上昇する一方、すでに子どものいる人が別のパートナーとの間にも子どもを持つ「複数パートナー出生」が観察された。2014年の研究紹介記事はこれを、父親になった男性が別の関係でも「再利用」される逆説として描いた。法的・同時的な一夫多妻制ではなく、離別と再交際を通じた「時間差一夫多妻」に近い話である。ただし、後続研究では男女の無子率差は主に出生コホートの人数差などで説明され、男女平等政策が一夫多妻化を引き起こしたという因果関係は支持されていない。
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2026-08-20 リンク先のブログが消えていた
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