「体験過程と意味の創造」勉強会(split)
「体験過程と意味の創造」勉強会
- 2021-12-10
- 今回の目的
- 「まだ言葉になっていないモヤモヤ」が認知においてどのような働きをするのか、を整理した「体験過程と意味の創造」第3章まで前提知識をなるべく要求しない道を引く
今回原著を買うまで副題の「主観的なものへの哲学的・心理学的なアプローチ」を知らなかったが、よい副題だと思う
ユージンジェンドリン
カールロジャーズ
- Carl Rogers - Wikipedia
- 1902 - 1987
- シカゴ大学の心理学の教授(1945–57)
- クライエント中心療法の創始者
- "Client-Centered Therapy" (1951)
1982年にアメリカとカナダの心理学者422人を対象に行った調査では、歴史上最も影響力のある心理療法家とされた(フロイトは3位)
- のちにPerson-centered therapy - WikipediaやPerson-centered Approach、人間中心アプローチ、と呼ばれるようになる
- デザインにおける人間中心設計とか、教育学における学習者中心とかとの関連は今回は深追いしない
- 時代としてはアブラハム・マズロー(1908-70)と同じぐらい
体験過程とは?
- 「体験過程と意味の創造」
- カールロジャーズが心理療法をやる上で実践的に使っていた概念を、ユージンジェンドリンが整理した
- 和訳が堅いが、英語はExperiencing
体験過程と感じられた意味
「感じられた意味」
- これが本書のメインテーマ
- 第I章 経験された意味の問題
- 第II章 認知において感じられた意味が働く実例
- 第III章 感じられた意味の働き方
- 第I章 経験された意味の問題 > 2.心理学における問題 > c.経験の分節化

- (西尾による訳) 概念化や表現と、経験や感情は別物である。経験や感情は、概念化や表現とは離れた意味を持っている。これを「感じられた意味」と呼んでいる。概念化や表現は、その「感じられた意味」に対して適切であるかもしれないし、適切でないかもしれない。この概念化や表現、別の言い方をすれば「シンボルによる構造化」と「感じられた意味」との間にはどのような関係があるか?さまざまなものがある。この本の先の章では、これらの関係を精査することによって、「感じられた意味」が認知において持っている機能を詳しく見ていこうと思う。
認知において必要な機能
- 「第II章 認知において感じられた意味が働く実例」はいろいろな実例を挙げている章で、それをここでなぞっても「紙に書かれた実例の羅列を口頭で劣化コピーするだけ」になりそうだから飛ばす
- 後半のB. が重要な概念のハブになってるのでそこだけ紹介
クライエント中心療法
感じられた意味がシンボルとともに働く様式が7つある
平行的な機能的関係
直接照合→一部にマッチ→分節化
直接照合の結果に3パターンある
創造的な機能的関係
やっと本題!
- 隠喩 (METAPHOR)
- 理解 (COMPREHENSION)
- 関連 (RELEVANCE)
- 言い回し(CIRCUMLOCUTION)
- 「平行的なシンボルを持たない感じられた意味」(
要するに表現するのにちょうどいい言葉がないような経験)がある状態
隠喩(METAPHOR)
- ユージン・ジェンドリンのメタファー概念
- 隠喩と訳されてるが、隠喩か直喩かに関係ない議論をする
- 「たとえること」と思った方がいい
- ここでは英語のまま「メタファー」と呼ぶ
- 厳密には「たとえること」や「メタファー」に代表されるような「既存のシンボルで新しい意味を作り出すこと」をまとめて「メタファー」と呼んでる
- 例
- 「私の恋人はまるでバラのようだ」
「時は金なり」
「公開鍵暗号は南京錠のようなもの」
- 施錠する時に「開錠する時に必要な鍵」が必要ないということを言ってる
- 「南京錠を所有する1名だけが施錠できる」と言いたいわけではない
- どの例でもシンボルを、その本来の意味と違う使い方で使っている
- 現存するシンボルで感じられた意味を正確に表現できない状況
理解(COMPREHENSION)
これ「理解」って訳語がついてるけど、次の節でunderstandingに関する話をすごくするので、同じ訳語を使うのは混乱の元だと思う。
- 僕も混乱した
- 「理解」というよりはこっちのニュアンス

- (これは非平行的なシンボルの使い方の例であり、文字通りの「完全に理解した」という意味ではない)
- 以下で口頭では「COMPREHENSION」と呼ぶようにしようと思う
To invent a metaphor to express a prior felt meaning is "comprehension." 例
メタファーの例 >理解の過程において,所与の感じられた意味は直接に照合されていて,多くの種類の関係ありそうなシンボルを選び出す(p.150)
関連(RELEVANCE)
- ここまでで一つの感じられた意味と「それについての」一つの以上のシンボル化との間の関係を定義した
- しかし、その「一つの感じられた意味」をシンボル化したものではないシンボルが理解を促すケースがある
- 関連とは「シンボル化がそれによって理解可能になるような、そういう関連のある感じられた意味」
relevant felt meanings, from out of which symbolization is understandable
この「理解」にはunderstandが使われていて、COMPREHENSIONの訳語の「理解」とは別物
- 日常会話ではこんなことを言う
理解するためには“過去の経験"が必要だ
"文脈"を理解しなければならない
一組のシンボルは,そのシンボルが表す一つの感じられた意味だけではなくて, その他多くの経験された意味の助けによって理解されるようになるのです(p.158)
- RELEVANCEの意味のわからない記述
- 例「ある初心者がある格言を学ぶ。20年以上もの経験の後で、その格言の意味をもっと違った、もっと完全な形で理解した、しかしそれを弟子に教えようとしたら20年前に学んだ最初の言葉以上にその意味をうまく表す表現(=シンボル化)が見つからない」
数学書でよくあるやつだな
- 最初にある数学的概念の定義を見たときにはサッパリ意味がわからない
- 色々な例や解説を読んで「なるほどわかった、こういうことだな」と思う
- 「そう書けばいいのに」と思いながら定義をもう一回みたら、まさにその通りのことが書いてあった
- RELEVANCEはシンボル化の一種
よくわからない
- 二つの視点
- METAPHOR/COMPREHENSIONもRELEVANCEだ、と言ってしまうことは一応可能
- でもそうやるのじゃなくて2つの視点として捉える方が良い、とユージンジェンドリンは主張している(p.159)
絵に描いてみた
言い回し(CIRCUMLOCUTION)
創造的な機能的関係まとめ
クリーンランゲージ:シンボルの解釈を保留する
非論理的段階としての現象学
- 時間に余裕があれば使おうと思った資料
- ないので使わない