解脱
仏教の
輪廻観は、仏教がゼロから作ったものではなく、古代インドにすでにあった「
業(カルマ)と
再生」の思想を引き継いだものです。とくに、
後期ヴェーダ時代から
ウパニシャッドにかけて、生死を繰り返す
流転(
サンサーラ)と、そこからの
解脱という発想がはっきりしてきます。仏教はその共通土台の上に成立しました。
ただし、そのまま借りたわけではありません。ヒンドゥー系やジャイナ系では、輪廻する主体として恒常的な自己・魂を想定する傾向がありますが、仏教は
無我を立てるため、「同じ魂が移る」のではなく、因果の連鎖によって再生が起こると捉え直しました。つまり、輪廻の枠組み自体は共有しつつ、仏教はその内部構造を大きく組み替えています。
なるほど、解脱自体は仏教の発明というわけではないのか