一緒に行動する能力
一緒に行動する能力
政治哲学者ハンナ・アーレントは、権力とは本来「
人々が合意して一緒に行動する能力」に他ならず、個人に属するのではなく人々が集まっている限りにおいて存在するものだと述べた。
この見解は、真の権力や正当性は公共の場での合意的行為(すなわちコモンズとしての納得感)に由来することを示唆している。逆に言えば、強権的に結果だけを押し付けても持続的な権力にはなり得ず、最初に人々が「一緒に決めた」プロセスこそが正統性の源泉となる。
現代民主主義社会においては、このような合意のプロセスへの信頼=合意感こそが貴重なコモンズであり、いかにそれを醸成・維持するかが課題である。
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