NISHIO Hirokazu[Translate]
希少なリソース感の食い違い
ある目的を達成する上で「希少なリソース」が必要になることがある。その場合は、その希少なリソースの獲得や活用が目的達成の確度に大きく影響する。

だがプロジェクトメンバーが複数人である場合には、あるリソースが希少なリソースであるかどうかの認識に食い違いが出ることがある。

「Xは希少なリソースである」派の人から話を聞いて「Xが希少なリソースなのにそれを活用しないのはもったいないな」と思ったのだが、なぜそれが起きるのか考えてみたら活用してない人はXを希少なリソースだと思ってないんだろうなと気づいた。

Aさんの考えるプロジェクトのゴール(GA)とBさんの考える許容可能なゴール(GB)の範囲が違う
ラインLXより上がリソースXが必要な領域だとする
このときAさんにとっては「Xはプロジェクトの成功のために必須」となる
しかしBさんにとっては「Xはプロジェクトの成功のために必須ではない」となる
NICE TO HAVEではあるがMUSTではない: MUSTとNICE TO HAVE
このBさんの主張をきいたAさんは「そんなゴールに至っても成功ではない」とか「そんなゴミ作っても完成とは言えない」と考えるだろう

BさんにとってXがプロジェクトの成功のために必須ではないなら他の多数のリソースとの兼ね合いになる
XとYだったらYの方がより「Bさんにとっての成功確率」を高めるから重要
XよりZの方が「Bさんにとっての成功確率」を高める
XとZの両方を取ることが出来なくなったらどっちを取るか
BさんにとってはZの方がプロジェクトの成功に対する寄与が大きいのでXを捨てる
Aさんにとってはそれはプロジェクトの成功の可能性を無くしてしまうので許容できない
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