権力を持ちなれない人が権力を持ったときに必要以上に権力を振るってしまう
権力を持ちなれない人が権力を持ったときに必要以上に権力を振るってしまう現象について考察
権力の濫用は「人格の問題」よりむしろ脳の報酬系が一気に優位になる状況的現象です。
制度的ブレーキ+心理教育+権限の段階的付与――この三本柱で過剰行使は大幅に抑えられます。
行動接近/制止バランスの崩壊
権力を感じた瞬間、脳内の BAS (報酬追求系)が活性化し、BIS (自制系)が抑圧される。結果、衝動的・利己的行動が増える。
パルヴニュ(成り上がり)効果
新参者は「自分こそ正統だ」と示すために、既存集団の規範を誇張して適用しがち。
必要以上に厳罰化・過度なルール強調
力による問題解決を好み、対話・合意形成を省く
「パワー幻覚」と共感低下
権力で得られる小さな成功体験がドーパミン報酬となり、「万能感」と他者への無関心を強化する。
手柄の独占、部下の貢献の過小評価
環境の無制約・同調圧
ブレーキ役が不在だと、周囲が同調し濫用を助長。
スタンフォード監獄実験はその象徴。
エスカレートする命令、恣意的な罰則
アイデンティティ不安の過補償
「自分には本来的に統治資格がないのでは」という恐れを打ち消すため、権威的態度を強調。
標的をつくり排除、過度な形式主義