NISHIO Hirokazu[Translate]
日記2024-10-06

ある変換Fがxをyに変換する、このとき
A: Fに余裕があるから入力xを限界まで増やそうという考え方
B: Fが限界まで使われているからFを増やして余裕を作ろうという考え方

一般人はAの考え方をしがちで、
制約理論はBを主張する
これはどのような条件でよいのか
Fの追加コストが高くてyの生産量を増やしたく依存関係ネットワークがシンプルならAの方がいい
Bでは生産量は増えてないからな
一方でFを休みなく働かせるためには手前に処理待ちのバッファが必要であり、そこで待ち時間が発生する
制約理論が批判したのは複雑な工場においてAをやるとあちこちに中間在庫が滞留して全体のスループットが悪くなるところ
つまり暗黙に複数のFが直列に接続されてることを想定している
生産量ではなくスループットに価値を見出している

需給は変動するので今ボトルネックになっていても、ボトルネック解消のための活動が実を結ぶよりも、時間経過で解消することの方が先に起こると予想できることもある

必要に応じて拡張できるように設計する

待機状態のものにコストが掛かるかどうか
使わなくても土地代が掛かる
待機電力が掛かるものもある

中間製品をバッファに溜めた方が必要になった時に最終製品が得られる速度が増える
これは制約理論が企業会計を前提にしていることによる歪み
材料を加工し始めた段階で材料費が掛かっており、収入が入ってくるのは最終製品の出荷後
これはそういう契約形態なだけ
例えば「先払いします、必要な時になるべく早く出荷してください、塗装の色は未定です」なら、塗装前の状態まで加工して待つのが最適
企業の話だと在庫に倉庫のコストがかかる

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