NISHIO Hirokazu[Translate]
Venn+争点マーク
Fable
支配モチーフ②は、部分的に重なる2つ(以上)の領域+「争点の位置に置かれた1個のマーク」という静的構造です。F7「二領域オーバーラップ・タブロー」を中心に約30枚。
ただの Venn 図なら教科書の集合論ですが、このコーパスの型はそこに必ず争点マークが打たれます——点・×・小さな塊が、帰属の争われる特定ゾーンに1個だけ置かれる。どのゾーンに置くかで、論争の型が3つに分かれます。
① 対称差に置く(Aには入るがBには入らない)——「ある/ない」論争の解剖図。
Aかnot Aかの議論 (vt-010)、存在するしない対立 (vt-131)、「黒もある」(vt-177)、「変えた経緯を知らないと同じに見える」(vt-127)。X は A さんの円には入り、B さんの円には入らない。だから「存在する」「存在しない」がどちらも各自の円については正しいまま衝突する。対立の実体は X ではなく円の範囲差。
② 同心の2境界のあいだ(アニュラス)に置く——「Xである/Xでない」の両立。
狭義と広義 (vt-049)、「Xである」と「Xでない」が両立する (vt-069)、「入れ子の概念」(vt-120)、「狭い範囲を見て「無い」と言う」(vt-152)。同じ X の周りにライバル境界が2本(狭義の円と広義の円)同心に引かれ、点がその間のリングに落ちる。広義では X である、狭義では X でない——矛盾に見えた命題が、境界を2本とも描いた瞬間に両立する。①が診断だとすると②はその解決画でもあります:戦う代わりに両方の境界を描け。
③ 交差レンズ(共通部分)に置く——共有をめぐる問い。
共通の特徴」(vt-181)、尖ったところを伸ばす (vt-121、レンズの外のはみ出しが主題になる裏使い)、「互いに視野が狭いと思う」(vt-116、直交する細長楕円の十字交差)。

これが支配モチーフに数えられる理由は、言葉の意味範囲を領域として扱う幾何だからです。「単語を変えると誤解が拡大する」(vt-003) も「AがBを包んでいる」(vt-008) も「白黒境界不明でも白黒明確」(vt-153) もこの幾何の上にあり、西尾さんが言い続けている「誤った二項対立」批判の絵的な実体がここにある。診断6ファミリー(二読み系)が観察者を置いて動かすアニメーションだとすると、Venn+争点マークはその舞台となる静的な地形——ほとんどの誤読劇は、この重なりのどこかに立った1個の点をめぐって演じられています。
そして気づくと思いますが、不一不異 (vt-290) も vt-289 のジェンドリン図も vt-085 も、この幾何の変奏です。「同じ F に属すが互いに異なる」は、共有領域と対称差を同時に主張する構え——モチーフ②とF18(頂点創発)の接続点に、あの現象学ペアが座っています。


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