レアな選択肢が有益とは限らない
麻雀には「ポン・チー・カン」という総称して「鳴き」と呼ばれるアクションがある(アンカンのことは傍に置く)
これは相手の行動と自分の状況が特定の条件を満たした時にのみ発動できるリアクション
麻雀ゲームのUIとしては、その条件を満たした時に「やりますか?」という選択肢を出すという形で実装されがち
「常時選択できるわけではなく、その時にしか選ぶことができない選択肢」(=
レアな選択肢、
期間限定選択肢)が提示された時に「やる」を選択してしまいがち
麻雀の文脈で言うと、麻雀初心者は「チーしますか?」と聞かれたら「はい」を選んでしまいがち
ところがこれはほとんどの場合、状況を悪化させるんだよね
なぜ状況を悪化させるのか
多くの「作りやすい役」に関して、鳴きを認めると作りやすさが高すぎるので「鳴いたら役がつかない」というルールになっている
リーチ、門前清自摸和(メンゼンツモ)、平和(ピンフ)、一盃口(イーペーコー)、二盃口(リャンペーコー)
断么(タンヤオ)に鳴きを認めるかどうかがメジャーなルールバリエーション(喰いタンあり/なし)
なので早い段階で鳴くと、将来「上がりますか?(ツモ・ロン)」の選択肢が出る確率を下げる
麻雀は「ランダム発生イベントを取捨選択して他プレイヤーより早く希少な手札パターンを成立させたら得点」というゲームなんで、基本的には選択肢を狭めないほうが良い
ところで細かいことを言うと喰いタンあり(鳴いて断么を作って良い)ルールにおいては、「鳴いて断么を作るか」「鳴かずにツモと平和の可能性を残すか」は自明ではない状況依存の意思決定ポイントだな(検討は下記)
なぜこんな現象が起きているのか
麻雀がPCゲームよりも前に確立したゲームであることも一つの要因かもな
リアルな麻雀においては人間が相手の捨て牌を観察して「自分の鳴いてでも欲しい牌が出たとき」に発声することで選択されるアクション
チー以外は自分の直前のプレイヤー以外も対象なので、本来の次プレイヤーが通常アクションを行う前に割り込まなければならない
初期のゲームデザインに関してはデバイスの制限によって「選択肢を出してユーザの入力を待つ」しか実装方法がなかった
喰いタンありルールにおいて「鳴いて断么を作るか」「鳴かずにツモと平和の可能性を残すか」検討
獲得点数の期待値を最大化する場合、残り9〜10自摸で門前が逆転
6,000局を生成し、相手の最初の8捨て牌以内に「2〜8だけでチーまたはポンできる」「鳴くと通常手の構造シャンテンが1以上下がる」という最初の局面を抽出しました。該当したのは4,042局面です。
喰いタンありでも、早鳴きが常に先着和了率を上げるわけではなく、鳴いて「形だけテンパイ・役なし」になる局面では速度利益がほぼ消える。
シミュレーションでは、即座に喰いタンテンパイになる鳴きは有利だった一方、1シャンテンから役なしテンパイにする鳴きは、見送りとほぼ同等だった。
したがって判断には通常のシャンテン数ではなく、役付きで合法的に和了できるまでの距離を使う必要がある。
派生