NISHIO Hirokazu[Translate]
10億使う
>10億を稼ぐより、10億使うこととの方がははるかに難しいと思いますし、10億を使うことより、ダメだと判断して10億突っ込んだ後に撤退するほうが、10億使うよりとてつもなく難しいと思いますます。これをベンチャーと呼ぶべきだと思います

(nishio)
>10億投資してきちんと損切りができるのは良いことで、悪い会社だと「10億も投資したのだから成功しなければならない」とか思い込んでズルズル傷を広げる。新規市場の開拓みたいな不確実性の高いチャレンジに「確実な成功」などない。

「10億を稼ぐ」より「10億使う」ことの方が難しいかどうか。
これは若干曖昧で「10億を稼ぐ」が「0から10億稼ぐビジネスを作る」なのか「10億稼いでいる既存システムを維持する」なのかで違う。
「0から10億稼ぐビジネスを作る」はとても難しい。
「10億稼いでいる既存ビジネスを維持する」は「10億使う」や「ビジネスを作る」とは全く違う能力である。
稼ぐ既存ビジネスが存在する会社に入社して、それを維持する仕事に長年従事した人に、「10億使う」や「ビジネスを作る」をさせようとすると、今までやってきたことや成功体験と全く異なることをやらなければいけないので難しく感じる。
既存ビジネスの維持を考える場合、不確実性は悪いものとして避けるし、出費は減らそうとする。
新規ビジネスの創出を考える場合、不確実性を避けると何も新しいものが作れなくなるから避けないし、出費を避けようとして投資が行われないと何も生まれないからリターンの目処がなくても出費する。

"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

(C)NISHIO Hirokazu / Converted from [Scrapbox] at [Edit]