NISHIO Hirokazu[Translate]
メモ2019-03-26
問題解決メソッドについて議論したことのメモ

「問題を一言で言い表す」というルールについて
一言で言い表せたら苦労しない
一言で言い表せるような問題に注目し、言い表せない問題から目をそらすバイアスになる

「現状がよくないことはわかるがどうなると理想なのか言語化できてない」という現象がある
「現状と理想は言語化できたが、どうすれば変化できるのかがわからない」という現象がある
「問題」は「現状と理想のギャップ」かもしれないが、それは最初から言語化できるとは限らない

「まず理想は何かを言語化する」について
これは「理想を言語化することができる」という暗黙の仮定がある。
思考に「まず理想は何かを言語化する」と枠をはめることで「どうあるのが理想か」という議論が始まってしまい、遠い理想が言語化されても現状からそれに向かう方法がわからないという現象が発生する。
これはしばしば大企業の中で何も決まらない長大な会議を発生させる原因になるので、現実(=現在取ることができる手段)からスタートしよう、というのが「エフェクチュエーション」という理解。
問題解決メソッドが作られた時代にはエフェクチュエーションのことは知らなかったはずなので、この謎のカタカナ語を使うかどうかはさておき「目的が先に決まるとは限らないよね」という視点は取り入れても良いのかも。

「理想」という言葉でイメージするものが人によって異なる
達成することが不可能でも良いと考える人と、達成できてない自分を責めてしまう人がいる
「10年後の目指すべき方向」を理想とする
5年後には当然状況が変わっているのでこの理想も変更する
そういう「遠い未来の方向性」として「理想」を使う人がいる

「理想と現実のギャップ」というフレームワークありきで無理やり当てはめをしても実益がない
「理想は、、、Xがある。問題は、、Xがない!」これではなんの意味もない

どこが個人のやることでどこが組織のやることかが不明瞭という指摘
そもそも「組織さんはいない」
your current realityとyour visionの対比
"your"なのでこれは個人

「問題」を掘り下げることは状況によっては有害
心の問題とシステムの問題は扱い方が異なるので、分ける必要がある

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