NISHIO Hirokazu[Translate]
活動歴アーカイブをつくることが必要
>アーティストの活動歴や評価などの資料を集めてアーカイブをつくれるといい

>アーカイブをつくるということは、アートを歴史化する作業

>これもホワイトキューブの話ですが、一人マニアックなスタッフがいて、その作業を黙々としていました。ダミアン・ハースト(一二五頁参照) の最初の展覧会の看板から、食事しながら描いた落書きまで、白手袋をはめて透明なビニールに入れて保管しているのです。とにかく、そのギャラリーやアーティストに関わるすべてのものを小さな部屋に収納していました。
> それを見て「頭がいいな」と感心しました。それこそ、自分たちの歴史をつくるという有史主義を自覚的に実践していますから。
> これからはプレスと同様に、ギャラリーでもアートを歴史化するアーカイブ構築が必要となってくるでしょう。 作品がマーケットに定着することで歴史がつくられますが、アーカイブされた歴史が、逆にマーケットをつくることもあるのです。

物理的な作品を作る人に比べると、デジタルで活動する人がデジタルデータを保管しておくのはだいぶ楽

代わりにやってくれる人が登場するまでは、自分でアーカイブを作っていく必要がある
何かが発生した序盤のストーリーが面白いが、序盤ほど散逸しがち
何が何につながるのかは事前にはわからない

2009年にこの本を読んでから「有史主義を自覚的に実践」するようになった
Scrapboxとの相性も良くてこのように「2009年のことだ」という歴史をすぐに引っ張り出せるようになったわけだが、いま読み返してみると「マーケットが歴史を作る」の部分は当時の自分は見落としていたなと思う
僕の作ったVirtual Starはコストを掛けた一点ものであって市場流通しなかった
バリエーションを作れるタイプのものでもなかった
僕が作った作品の中でマーケットに広く流通したものとしてはコーディングを支える技術エンジニアの知的生産術だろう。しかしこれは技術書籍の出版というフォーマット上「同一のものが無数に存在して希少価値はない」タイプの存在だ
そういう意味ではいまC3: Computer Created Catsで色々試してる中で生まれた「NFTを作って、売れたという事実」は「マーケットが歴史を作る」をやってると言えるのかもな

"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

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