NISHIO Hirokazu[Translate]
若い旅人


移動する人が定住する人をむすびつける
世界がちぎれた後でこう書いた:
ちぎれて残った古い世界を訪れた「移動する人」が何をするか
優秀な若者を連れていく
村の側からは人攫いだとか詐欺師がそそのかしたとか解釈される
旅人の側は滅びゆく村から未来のある若者を助け出したと解釈している
若者は自分が面白いと思う側の道を選んだと解釈している
この記述は年齢を捨象できてない
「旅人が優秀な若者を連れていく」のではなくAがBを連れていく
BがAより若いというのは根拠のない思い込み
旅人Aと村人BのメタファーではAが3〜40歳くらいで、村人に20, 40, 60歳がいて、20歳が村を抜けようとするのを40歳が激しく怒って止めようとするイメージ
暗黙に「Aの年齢がBより大きい」という属性がある
これは捨象すべき属性だったのでは?
漠然とイメージしている「昔の農村」では移動のコストが高くて20歳が単身で旅人になることが困難だった
現代においてはそんなことはない

「『自分がAであって、優秀な若者Bを連れていく側である』と思い込んでる中年のB」はヤバい
小さな町の中を移動しているだけで自分が「移動する人」だと思い込んでいる

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