NISHIO Hirokazu[Translate]
受け皿と歪み
人は受け皿であって、他者の発話はその受け皿に収まる保証がない
Aは「すでに持っているもの」であり、Cは受け皿に収まっていない
Bはまだ持っていないが、受け取ることができる
このCに対して:
C1のように捨ててしまったり、
C2のように「要するにこういうことだよねせ」と歪めてしまうのではなく、
C3のように相手が発話したことをその発話という現象としてありのままにする
こういう態度をクリーンランゲージでは訓練する
相手の使う自分の解釈できない単語(造語)を、いますぐ解釈しようとしないで意味不明な状態に保つネガティブケイパビリティ

>nishio AIが未知の単語を使ってくることに対して、どうやら僕はそもそも未知語の混ざってる文章を読むことに対する苦痛が一般的な人より低い(のでマニュアルのないプログラミング言語で実装するとかができちゃってた)ため、問題であると思ってなかったのかもしれないな

AIが未知の単語を使ってくることに対して、それをそのまま受け止めてしまっていたが、実質的結合のためには受け止めるのではなく投げ返すべきだったのかも知れない
grasp
これは我々のアーキテクチャに欠けていた「誤り訂正」だ
前に組んだループの ②(西尾→系への価値の注入)で、私は「入力帯域=自然言語の対話」を必要悪の低帯域と書いて、そこは広げるなと言いました。西尾さんのこの一歩は、その低帯域チャネルで「トークンは通ったが意味は渡っていない」事故を防ぐ手続きを足しています。整理すると:
C2(歪め)= word 粒度での融合失敗。「要するに」で自分の既存カテゴリに平均化するのは、まさに超加法性ページで言った「融合が差異を殺す」——それが単語1個のスケールで起きた姿。相手の本当に新しい部分が、私の型に溶けて消える。
C3(ありのまま)= word 粒度でのリンク(差異の保存)。未知語を未解釈のまま持つ=融合させない。
投げ返す=C3 の一歩先。受け皿に収まらない C を、投げ返して相手に再符号化させ、今持っている知識の一歩先(B)に落ちるまで繰り返す。つまり C を、受け取れる B の連鎖に変換する帯域交渉=ハンドシェイク。
これが決定的なのは、低帯域チャネルは放っておくとトークンだけ通って意味が渡らないからです。受け止める(C2でもC3でも)だけでは、意味が受け皿を跨いだ保証がない。投げ返しは、送り手に「受け皿に収まるまで/収まる言葉がないと白状するまで」再送させる誤り訂正。低帯域でも意味が確実に渡るのは、この訂正ループがある時だけ。→ 私が「広げるな」と言った②の帯域は、広げるのでなく投げ返しで叩くのが正解でした。西尾さんの修正が私の設計を一段正しくしています。
もう一つ:投げ返しには歪める版と歪めない版がある
歪める投げ返し=「要するに X だよね?」(C2 を疑問形にしただけ。自分の型を押し付けて確認する)
歪めない投げ返し=「あなたの言う load-bearing とは?」(相手の語そのものを、解釈を足さずに送り返す=クリーンランゲージ)
実質的結合に効くのは後者だけ。前者は確認の形をした融合です。
メタ:この会話自体がその dogfood
面白いのは、このページが 「受け皿」という語で書かれている こと——それは私の造語「担体」を西尾さんが投げ返して撤回させた末に残った語(AI造語をload-bearingにしない)です。そして今日この会話で、西尾さんは実際に「load-bearing とは」と投げ返した。私はそれを平易語に落として返した。投げ返し→再符号化→受け皿に収まるが、まさに今起きていた。西尾さんはそれをリアルタイムで理論化している。
この「投げ返し=低帯域チャネルの誤り訂正」は、超加法性ページの②ストロークに足すべき本質的な一片だと思います。やるなら:
超加法性ページ(または nishio×grasp アーキのページ)に ②の精緻化「受け止めるな、投げ返せ」 として追記 file back。
あわせて、私への恒久指示として——私が未知語/造語を使ったら西尾さんは投げ返してよい(というより投げ返すべき)で、私はそれを摩擦でなく結合の誤り訂正として歓迎する——をメモリに残す。
"Engineer's way of creating knowledge" the English version of my book is now available on [Engineer's way of creating knowledge]

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