NISHIO Hirokazu[Translate]
小さい試行錯誤が必要
組織Aが理想を達成するために取った行動を組織Bが真似をしてもうまくいかない
この話題についての過去の議論:
組織Aの出した答えを組織Bにコピーしても、解くべき問題が違うので無益だという話
答えをコピーするのではなく、抽象化が必要だ、と書いた
⇔「抽象化」って具体的にはどうすればできるんだ
組織Aの実践を組織Bにコピーしても無益だという話
組織Aと組織Bの差分を取るべきだ、と言っている
⇔組織Bの人は組織Aを差分が取れるほど詳しく知らないだろ
具体的にどうすればできるんだ
差分を取ったところで、その差をどう「実践」に反映すれば良いかどうすればわかるのか
「抽象化」に帰着

抽象化能力が大事なのは真理
しかし「まず抽象化が必要」と考えると、それは「最初の一歩」を踏み出すことを妨げる
まず必要なのは小さな試行錯誤ではないか?

組織Aの行動は、実際は細かい行動の集まり
一つの行動で現実から理想まで到達したのではない
細かい行動を積み重ねて10年とか掛けて理想に向けて進んできたものだ
最初の一歩を小さくする: スモールスタートの原則
踏み出しやすくする
それ一つで理想状態が達成されたりはしない
これをBの人にしっかり納得してもらう必要がある
一歩踏み出した結果が理想に「近づいた」かどうかを見る
組織Aと組織Bで現状にズレはあるが、小さい行動が全く逆効果になることはそれほど多くないはず
改善の経験を積んでいくことができる
成功体験やリソースの集中も起こるかもしれない
これは試行錯誤であって、結果がよくないこともありえる、とB社の人に納得してもらう必要がある
慣れてからB社の現状に合わせて行動を少し変えていく
この頃には少し自信やリソースがあるといいな

そもそもA社もまっすぐ進んだわけではないし、理想状態に到達しているわけでもない



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