NISHIO Hirokazu[Translate]
「ある」と「なる」
nishio
「である」と「する」を見て、「ある」と「なる」の構図もあるよなと思ったので生成させてみた

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「ある」と「なる」に関する思想は、哲学や言語学において重要なテーマとして扱われてきた。それぞれの概念は、「存在」と「変化(生成)」という根本的な考え方を示し、多くの哲学者がこれについて考察してきた。



1. 古代ギリシャ哲学
パルメニデス(存在論的アプローチ)
「あるものはある、ないものはない」と述べ、存在(ある)が絶対的なものであり、変化(なる)は幻想にすぎないと主張した。
彼にとって、真実の世界は変化せず、永遠不変である。

ヘラクレイトス(生成変化の哲学)
万物は流転する(πάντα ῥεῖ)」という言葉で知られ、世界は常に「なる(変化する)」ことによって成り立つと考えた。
「ある」は一瞬の状態にすぎず、実在は変化の連続にあるとした。



2. アリストテレスと形相と質料
アリストテレスは「ある(存在)」をエネルゲイア現実態)」とし、「なる(生成変化)」をデュナミス可能態)」と捉えた。
物事は「デュナミス(可能性)」を持ち、それが「エネルゲイア(現実化)」することで変化すると説明した。



3. 仏教の「縁起」と「空」
仏教では、固定的な「ある(実体)」を認めず、すべてのものは縁起(依存関係によって生じる)」によって「なる」ものとする。
(くう)」の思想では、独立した実体(ある)はなく、あらゆるものが条件によって変化し続けるものと見なされる。



4. 近代哲学
「ある」と「なる」を「正」「反」「合」の弁証法で捉え、絶対精神の発展として説明した。
「存在(ある)」は自己否定を通じて「無(ない)」に移行し、その対立が統合されて「生成(なる)」に至る。

ニーチェ(生成の肯定)
「ある」という固定観念を批判し、「生成(なる)」の過程を肯定した。
永遠回帰」という考え方では、変化こそが本質であり、「なる」ことを積極的に受け入れることが重要だと説いた。



5. 20世紀以降の哲学
ハイデガー(存在と時間)
「ある(存在)」を時間的なものとして捉え、「なる(生成)」と不可分のものとした。
「本来的な存在」とは、変化や未来を見据えながら自己を形成していくものとした。

固定的な「ある(実体)」の概念を批判し、「差異」こそが現実の本質だと主張。
「なる」という過程を重要視し、世界は常に新しいものが生み出される「生成変化の場」と考えた。



まとめ
「ある」 は固定的な存在や実体を示す概念として扱われる。
「なる」 は変化や生成、プロセスを重視する概念として扱われる。
哲学の歴史では、パルメニデスやアリストテレスが「ある」を強調し、ヘラクレイトスや仏教、ニーチェ、ドゥルーズが「なる」を重視してきた。

この二つの概念は、単純な対立ではなく、相互補完的な関係として考えるべきかもしれない。

nishio語源の話
o1 Proまとめ
「nature」の語源は、ギリシャ語では「physis(φύσις)」にさかのぼり、これは動詞「phyō(φύω)」(成長・生成する)から派生した言葉だった。古代ギリシャでは、自然を動的な生成や変化のプロセスとして捉え、ヘラクレイトスやアリストテレスらがそれを哲学の中心概念とした。
一方、ラテン語の「natura」は「nascor」(生まれる)に由来し、過去分詞形の「natus(産まれた)」から派生している。つまり「自然」とは「産まれたもの(産み出されたもの)」というニュアンスが強い。ここから英語の「nature」が生まれ、「産む」という発想がラテン語側の重要な要素として受け継がれたわけである。
要するに、
ギリシャ語「physis」は「成長・変化」を強調しており、万物が動的に生成する性質を指す
ラテン語「natura」は「生まれる」「産まれたもの」を強調しており、「産む」概念との関わりが明確に現れている
これらが重なり合いながら英語の「nature」が形作られていった。

GPT(一部抜粋)
「nature」のギリシャ語での語源は 「φύσις(physis)」 であり、これは「成長する」「生じる」「発展する」といった意味を持つ動詞 「φύω(phyo)」 に由来する。この語は、特に古代ギリシャ哲学において重要な概念であり、単なる「自然」という意味にとどまらず、「物事が本来的に持つ性質」や「成長・変化の原理」として捉えられていた。
「φύσις」は、もともと 「生まれること」「成長すること」「変化すること」 を意味しており、「自然」そのものを静的なものとしてではなく、動的なものとして捉える概念だった。
◉ ヘラクレイトス(万物の流転)
彼は「φύσις」を世界の根本的な変化の原理と考えた。
すべてのものは絶えず変化し、「固定された実体(ある)」ではなく、流動する「なる(生成変化)」として存在すると説いた。
◉ アリストテレス(自然学の基礎)
彼は「φύσις」を「物事が本来持つ性質や目的論的な動き」として捉えた。
後のPhysics(物理学)であるnishio
例えば、木の種子は「自然(φύσις)」によって成長し、最終的に木へと発展する。
彼にとって「自然」とは「目的(τέλος, telos)に向かって進む内在的な原理」であった。
◉ ソフィスト・ストア派(人間の本性との関係)
ソフィストたち は「φύσις」と「νόμος(nomos, 人間が作る法)」を対比し、「人間が持つ本性(φύσις)」と「社会的規範(法)」の関係を議論した。
ストア派 は「φύσιςに従う生き方(τὸ κατὰ φύσιν ζῆν, to kata physin zen)」を説き、理性を持つ人間は自然の法則に従うべきと考えた。

2. 「φύσις」から「nature」への変遷
ラテン語の 「natura」(「生まれながらの性質」「自然」)は、「φύσις」の概念を継承した言葉であり、これが後に「nature」となった。
しかし、ラテン語ではアリストテレスの目的論的な意味が強くなり、キリスト教哲学では「神が創った自然」という視点が加わった。
近代になると、デカルトやニュートンの影響で「nature」は「機械的な法則に従う世界」として理解されるようになった。

「nascor」から派生した言葉
nation(国家、民族) → 「同じ土地に生まれた人々の集まり」
native(ネイティブ) → 「生まれた土地の」
nascent(ナセント) → 「発生しつつある」「初期の」
In statu nascendi」もこれ系だねnishio

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