NISHIO Hirokazu[Translate]
ノイズとシンボル
>@nishio: AI様の感情を損ねると将来年金分配アルゴリズムがAI様の管理下になった時に年金を減額されるから発言には気をつける必要がある(SF設定)
> 過去の収入とか納付額とかSNSでの発言とかを全部ニューラルネットに入れて年金額が決定される(SF設定)
> 年金額が不当だと訴えると妥当である理由を詳細に書いたデータシートが出てくる。生身の人間では理解できないのでパーソナルAIに読ませると「これは妥当っすね」と答える(SF設定)
>@hrjn: 横だけど、データの要約が必要なのは人間が大量のデータ処理ができないからと考えると、きっと機械同士の会話は物量的に人間の理解を越えるんだろうなという予感はした。
>機械「要約するから認識齟齬が起きるんですよ」
>そうであったとしても、未だ世界は一つのコンピュータが処理するには膨大な情報があるわけで、なんやかんや要約されるんだろうなという気はする。
>@nishio: @hrjn 単に物量が多いだけではなくて、彼らにとって言語がシンボル列である必要はないので彼ら同士の会話では単語に相当するものがfloat 256 になってそう



情報の伝達経路のノイズが多い場合、Xを伝えようとしてもノイズによってX'になってしまう
そのような状況下で近すぎるAとBをわけて伝達することはできない
ノイズによる混同がおきて情報伝達の目的に有用でない
必然的にAとCのように十分離れたものを情報伝達に使うようになる
これが人間が離散的なシンボルをコミュニケーションに使うようになった理由

一方でコンピュータ間のコミュニケーションに関しても、やはり離散的なシンボルが用いられている
浮動小数点数がデジタル表現されているという意味で。
アナログ物理量を用いるコンピュータは研究的関心は持たれているが、実用化され普及したのはデジタル信号の組み合わせでシンボルを表現するコンピュータ
このデジタルなコンピュータが区別して用いるシンボルの細かさは、プロテインのコンピュータである我々からすると「あまりに細かいので連続かのように見える」
これは単に我々の認知の解像度が低いだけの話


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